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前歯のインプラントは難しいという話を聞いたことがありますか?答えはその通り。
では、どうして前歯のインプラントは難しいと言われるのでしょうか。前歯のインプラントが難しいと言われる3つのポイントをしっかりと解説します。歯科医院選びの一助になれば幸いです。
前歯のインプラントが難しい3つのポイント
歯の周りには骨があります。虫歯や歯周病で歯を失うと周囲の骨は萎縮して小さくなってしまいます。インプラントは骨に留置する必要があるのでインプラント周囲の骨が萎縮してしまうとインプラントを行うことが出来なくなってしまいます。このように抜歯をすることで刻一刻と骨の形状が変わってしまうので前歯のインプラントは特に難しいと考えられます。
インプラント予定部位に骨がない場合は骨造成という方法で骨の厚みを増やす治療が必要となります。ご自身の他の部位から骨を採取する方法や人工骨を利用して骨の厚みを増やすことが可能です。
抜歯をすると、骨が萎縮してしまうのであれば抜歯をする当日に骨が減らないようにするリッジプリザベーションという方法もあります。これは、抜歯の当日に歯があった場所へ骨を填入することで骨量が維持できるという手法です。このリッジプリザベーションは体への侵襲が比較的軽度であるので処置後に大きく腫れたりする心配がありません。もちろん抜歯は外科処置であるので、抜歯によって腫れることはありますのでご留意ください。
前歯の骨の厚みは非常に薄く、前述のように殆どの症例で骨造成を行うものと考えて頂いて差し支えありません。制限された幅や角度でインプラント治療を行う必要があるのでインプラントの角度や深さに僅かなズレが許されず、これが前歯のインプラントが難しいと言われる理由です。
三次元的に骨の形状を把握しながら適切な位置にインプラントを埋入することはとても高い技術が求められます。角度が適切でなければインプラントのネジが破損するリスクが上がり、周囲の歯茎も下がりやすくなるので歯科医師は細心の注意を払って手術をする必要があります。
現在ではガイドを利用することによってコンピューター上で計画したインプラントの角度や深さを実際の口腔内で高い精度で再現することが出来るようになりました。前歯のインプラントの症例でこのガイドシステムを利用する機会が多く、角度や深さに僅かなズレが許されない環境でも高い治療成績を達成します。
前歯のインプラントは言うまでもなく高い審美性が求めれれます。ただし、インプラントは天然の歯とは異なるので天然歯と遜色なく見えるのには高い技術が必要となります。
前述の通り、前歯を抜くと周囲の骨は萎縮するので歯茎が下がります。下がったままの状態でインプラントを埋入すると長い歯を作らざるを得なくなります。
天然の歯は10~11mm程度が目に見える長さです。14mmを超えてしまうと、明らかに歯が長く感じるようになり許容されません。歯が長くならないようにリッジプリザベーションや抜歯即時埋入という手法が選定されます。
十分に歯の周りの組織のマネジメントが出来たインプラントは天然歯と比較しても見分けが付かない水準まで綺麗な仕上がりになります。
いかかでしょうか、以上が前歯のインプラントが難しいと言われる理由です。
皆様の大切なお身体のことです。インプラントが上手くいかないと費用面の負担も心の負担も大きくなってしまいます。
私自身、歯が無い部分には第一選択としてインプラントを推奨しています。それは他の治療法と比較してマネジメントがしっかりと出来れば、噛み心地や見た目、長持ちという面で最も優れている治療法であると考えられるためです。
ただし、前歯のインプラントのマネジメントは簡単ではありません。患者様のご協力も大切であり、歯科医師の技術も高い水準が求められます。
我々は大切な患者様がインプラント治療を通して笑顔に増えるように日々鍛錬して参ります。