〒106-0047 東京都港区南麻布1丁目3−7
プレール麻布仙台坂 1階
歯を失った部分を補う治療であるインプラント治療。
このページでは実際のインプラント症例を通じてインプラント治療に関する専門的な情報をご提示いたします。
抜歯後、骨の状態が落ち着いた後にインプラントを骨に留置する手術を行います。
骨の状態によっては抜歯の同日にインプラント埋入をする場合や、骨が少ない場合には骨造成というステップが必要となる場合もあります。
手術が不安な方は点滴を打ちながら眠った状態で手術を行う静脈内鎮静法という方法もございます。
骨と結合する待機期間を経て、実際に被せ物を装着して噛むことが出来るようになります。(3週間~10ヶ月)
他の歯と同じようにフロスをしながらセルフケアをして頂き、数ヶ月に一度メインテナンスにご来院して頂きながら経過を追っていきます。
50代男性
右下の小臼歯周辺の歯茎が腫れてくることに困ってしまった患者さまです。
顎骨や咀嚼筋が非常に発達した患者さまであり、噛む力に耐えきれずに歯が折れてしまいました。
破折の深度により治療の方法は異なります。
レジン充填や被せ物による修復、CLPやエクストルージョンなど歯を温存する方法は複数ありますが、骨の高さより深部にまで及ぶ破折は抜歯が必要となります。
やむなく抜歯をする際にも配慮が必要となります。
歯の周りには束状骨という骨があります。
束状骨は歯のおかげ(正しくは歯根膜)で栄養を得ることが出来ており、歯を喪失すると血流が絶たれた束状骨は萎縮して消失してしまうことが文献上も明らかになっています。
束状骨を失うと骨のボリュームは減少してしまい、インプラントに必要な骨量が確保できなくなってしまう場合があります。
当院にご来院される患者様の中には『通っていた歯科医院では骨が足りないからインプラントは出来ないって言われたよ』とお話する方をよくお見かけします。
骨が足りなくならないようにする配慮や骨が足りない場合の対処法がインプラント治療にはとても重要となります。
事実、インプラント周囲の骨のボリュームによってインプラントの清掃性や審美性は大きく左右され、それはすなわち快適さと患者満足度に大きく影響を与えます。
本症例はリッジプリザベーションという方法を選択することにより骨のボリュームを確保して、下歯槽神経の損傷を防いでインプラント治療を行いました。
インプラント治療の合併症には下歯槽神経麻痺というものがあります。
下顎には下歯槽神経という歯の感覚やアゴ先の皮膚感覚(厳密にはオトガイ神経)を司る神経が存在します。
その下歯槽神経を治療の器具で損傷してしまうと知覚が鈍くなったり、感覚を失ったりすることがあります。
我々歯科医師は事前のCT撮影によって三次元的に神経の位置を把握して、安全と判断できる距離を十分に確保してインプラント治療を行なっております。
この治療の正確性をサポートしてくれるツールにはストローマンガイドなどがあります。医療は進歩しており、事前のCTにおけるシュミレーションと誤差が殆ど無い水準で治療をすることが出来る時代となりました。
正確な位置にインプラントを埋入することが出来れば、骨の治癒を数週間から数ヶ月待つことで実際に噛むことが出来るようになります。
しっかりと噛むことが出来て、審美的に美しいインプラント治療は生活を豊かにします。
不安を一緒に乗り越えて無事に噛めるようになり、喜んでくださる姿を見られるのは私たちにとって一番嬉しい瞬間であります。
前歯の歯茎が腫れてしまった症例。本症例も歯が破折しており、抜歯が必要となりました。
前歯のインプラント治療は一層繊細な対応が必要になります。
歯を抜くと、血液供給が欠乏した束状骨は萎縮してしまいます。このように萎縮した状態でインプラントをすると細長い前歯が出来上がってしまいます。
歯を失っても天然の歯のような自然さを確保するにはリッジプリザベーションが非常に有用となります。
既に抜歯をしており、陥没してしまっている場合は骨造成(GBR)が必要になります。
骨造成をすることによって骨のボリュームが増加して、インプラントを三次元的に適切な位置に埋入することが可能になります。
適切な位置に埋入することで発音や咀嚼、審美性、そして清掃性を高めることが可能になります。
骨造成が行われずに陥没した骨にインプラントを埋入すると理想的な位置と比較して内側にインプラントが位置づくことになり、舌の当たり方が不適切になるので発音に影響が出てしまいます。もちろん咀嚼にも影響を与えます。
前歯のインプラントは埋入の三次元的な位置と骨や歯茎のコントロールが非常に重要となります。
仮歯でできた理想的な歯の立ち上がりを最終的な被せ物へと反映するカスタムインプレッションという技術を使うと、審美的で細菌への抵抗性も高い綺麗な被せ物ができます。