歯科治療では保険診療、自費診療を問わず様々な金属が使用されています。
保険診療で使用される金属は金銀パラジウム合金やアマルガムという材料が使用され、いわゆる銀歯という呼称で長年使用されてきました。
しかしながら、昨今ではSNSの発達やテレビの高画質化なども影響して他者から見られるという意識が高まり、歯科医療においても「審美的な要求度」が高まってきている時代になってきました。
また、「金属アレルギー」という項目が各メディアで多く取り上げられており、口腔内に銀歯を使用することへの警鐘を鳴らす記事も多く見かけるようにもなりました。
当院では金属を使わないメタルフリーな治療を推奨しております。
審美面、生体への安全性へ配慮した安心のできる材料を使用することで患者さまへより良い歯科医療をご提供致します。
セラミックというものは、大きく分けるとシリカベースとノンシリカベースというものがあります。
ノンシリカベースにはジルコニア(金属酸化物)というものが属しており、高い強度が特徴です。強い咬合力がかかる奥歯の治療でよく利用されます。白い色調をしているものの、少しだけ人工的な色調を呈するのもジルコニアの特徴といえます。
近年では、透明感のあるジルコニアも開発されており、少しずつ前歯での使用も行われるようになってきました。
シリカベースには二ケイ酸リチウムや長石系というものが属しており、高い審美性が特徴なので前歯や小臼歯といった部位で利用されます。
特に審美的な要求度が強い部位については長石系のセラミックスが使用されます。
生体はウイルスや細菌といった異物を排除するために免疫機能を備えています。
その免疫機能が、ある特定の物質<アレルゲン>に対して過剰に働いていることをアレルギーといいます。花粉や食品が代表的なものに挙げられます。
金属アレルギーもその一つです。
銀歯などのお口の中にある金属は、常に唾液との接触があり、さらには咀嚼という激しい断続した力が加わる険しい環境にあります。イオン化しやすい金属は少しずつ溶け出してアレルギー症状を発現するようになります。
金属アレルギーの検査は皮膚科等でパッチテストを行います。
歯科金属によるアレルギーが症状の原因であれば、金属を除去する治療が必要になります。
金属アレルギーは10年後など、時間が経ってから症状が出る場合もあり、現時点で症状がない人でも注意が必要です。
口腔内での症状
全身に起こる症状
その他疾患との関連
- 掌蹠膿疱症
原因が不明とされている難病。近年では金属アレルギーとの関連が示唆されており、口腔内の金属を除去することで症状が緩解したという報告も存在する。
歯科で利用される金属でアレルギーになりやすいもの
歯科で利用される金属で毒性があるもの
- アマルガム
従来は頻繁に利用されていたが、毒性が判明して利用されなくなった。しかしながら、現在でも患者さまの口の中にあるのを見かけることが多い。
保険適応の治療では主に銀歯が使用されます。
銀歯は適合の精度があまり良くない傾向があるので、写真のように段差や隙間が開いてしまいます。
口腔内は体の中で細菌が最も多い部位です。
細菌にとってこのような段差や隙間は繁殖する絶好の場所となります。