皆さまはセカンドオピニオンについてご存知でしょうか。
第三者による医学的な意見のことをセカンドオピニオンといい、現在の担当医ではなく専門医や他の医院の医師による診断や治療方針に対する意見のことを指します。
セカンドオピニオンを受ける際は担当医からの紹介状を受けて経過と共に別の歯科医院を受診することが望ましいです。
紹介状により時系列での医学的な所見を知ることが出来ますし、見落としを防ぐことに繋がります。
また、どのような経緯で意見を聞きたいのかを把握することは大切です。
しかしながら、担当医へセカンドオピニオンを受けたい意思を伝える義務というものはございません。
現在の担当医に対して不安感がある場合や、意思を伝えづらい場合は紹介状がない場合でもセカンドオピニオンは可能となります。
セカンドオピニオンの利点
前医とは異なる視点や専門性を持つ歯科医師にセカンドオピニオンを受けることが出来れば、患者さまが潜在的に求めているプランを提案してもらうことが出来る可能性があります。
また、誤診のリスクを減らすことも可能になります。
実際に例を挙げてご説明しましょう。
例1患者さまが歯をなんとか残したいと思っていた場合
Aという歯科医院では「虫歯が深いので歯を抜こう」と言われたとします。
セカンドオピニオンを受けてみると、CLPやエクストルージョンなどといった処置を行うことによって通常は抜歯となるような状況であっても歯を残すことが出来るかもしれません。
参考症例①
重度の虫歯で崩壊した歯をゴムで牽引することで埋まった歯を引き出す方法をエクストルージョンといいます。
数mm引き上げることで抜歯を回避することが出来ます。
参考症例②
歯を抜くと、2年以内に骨の幅が40%-60%萎縮するという報告があります。
歯がなくなると、歯を支えていた骨は半分近くは吸収してなくなってしまうのです。
見た目は陥没したような様子になります。
黄色い囲みは歯がない部分です。
反対側と比較すると陥没したような印象を受けます。
このように歯を抜くと骨が萎縮することで歯茎が陥没して見えます。
例2患者さまが抜歯は覚悟しているが、その後の治療計画に対して別の先生の意見を聞きたいと思っていた場合
Aという歯科医院では「抜歯をした後はインプラントをしましょう」と言われたとします。
噛み合わせが原因で歯が折れた場合などは単純にインプラントで失った部分を埋めることが最善の治療という訳ではありません。
例えば、その患者さまに歯科矯正というプランが許容されると人工のインプラントを留置するのではなく、歯を動かすことでご自身の歯のみで隙間を埋めることが可能になる場合もあります。
沢山の選択肢の特徴をしっかりと吟味して、ご納得頂いてから治療を進めましょう。
参考症例
重度虫歯を抜歯して、その隙間を歯科矯正で埋めていく治療です(治療中の写真です)。
インプラントは使用しないので全てが天然歯で仕上がります。
例3根管治療を何度か行っているが痛みや腫れが取れず、不安になってしまった場合
歯科医療には術者の技術面の問題で治癒しない場合もあれば、材料の限界により治癒しない場合もあります。
また、残存する歯の崩壊の程度によって成功率も異なります。
当院では自由診療と保険診療の根管治療をご用意しております。
詳しくは根管治療の専門ページをご覧下さい。
このように様々なシチュエーションがセカンドオピニオンにはありますが、第三者の意見を聞くことでお口の中の問題を整理することが可能になります。
セカンドオピニオンの注意点
多くの意見を聞くことで時には混乱する場合もあります。
ご自身がどのような意見を聞きたいのかを事前に考えをまとめておくと端的な答えが聞けるかもしれません。
時には「〜はやりたくない。」といった排除したい事柄を列挙して伝えても良いかもしれません。
沢山の選択肢から患者さまにあったプランを提供してもらえる可能性も高くなることでしょう。
患者さまが求めることやお口の中は千差万別です。
10年後も当院に通って良かったと思って頂けるような高い治療の水準と院内雰囲気を提供したいと思っております。
気になることがあれば何でもご相談ください。