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歯茎が腫れる

歯茎が腫れる

歯茎が痛いなあと思って鏡を見てみると、歯茎が腫れていることはありませんか?

 

どうやら歯茎を押してみると痛みがあり、歯ブラシが当たると血も出るようですね。

 

 

でも、どうして歯茎が腫れているのでしょうか。

 

 

本日は歯科医院に来院する理由の上位に挙がる「歯茎が腫れる」という項目についてお話しします。

 

 

 

実は主に4つの原因によって歯茎が腫れているのです。そしてその全てに共通しているのは「細菌感染」によって腫れているということです。とはいえ、腫れをなんとかしたいという方へまずは歯茎の腫れの対処法からお伝えします。

 

 

歯茎が腫れるときの対処法

歯茎が腫れるときは細菌による炎症が活発に起きている証拠です。歯茎が腫れるときの対処法をお伝えします。まずは、兎にも角にも歯科医院を受診しましょう。自己解決では原因に即した正しい対処とはいえないことが多くあります。

 

歯周病によって歯茎が腫れているのであればクリーニングが第一選択となります。歯科専用の器具で繊細に歯石やプラークを除去して、原因である細菌数を減らすことによって自己治癒力がしっかりと働くようになり、腫れが落ち着きます。また、特に歯ぐきが強く腫れているときは局所にテトラサイクリン系の抗生剤を注入することで歯茎の腫れに対処することもあります。

 

どうしても歯科医院に通うことが出来ない場合は無理のない範囲でしっかりと歯磨きをすることが唯一の対処法となります。気になるからといって指でグリグリと触ることは炎症をさらに加速させる可能性があるので控えてください。頬に熱を持つほどに歯茎が腫れる場合は氷などで歯茎を冷やすこともオススメです。

 

 

 

歯茎が腫れる4つの原因

 

1.歯にプラーク(菌塊)が停滞することが原因で歯茎が腫れる。(歯周病)

 

2.歯が折れることが原因で歯茎が腫れる。(歯根破折)

 

3.歯の内部に菌が増えることが原因で歯茎が腫れる。(根尖性歯周炎)

 

4.親知らず周囲に細菌が増えることが原因で歯茎が腫れる。(智歯周囲炎)

 

 

 

歯茎が腫れる原因は異なりますが、全てに共通して言えることは『細菌感染』が起こっているということです。そして、特に忙しい時期や体調が悪い時など免疫が低下しているタイミングでこの細菌感染は起こっています。

歯茎が腫れるときの対処法も併せてお伝えしていきます。

 


 

 

 

それでは、4つの歯茎が腫れる原因についてご紹介しましょう。

 

 

歯茎が腫れる原因 その1.

歯周病で歯茎が腫れる

 

歯周病とは、歯にプラークという細菌の塊が停滞することで起こる細菌感染症です。日本人の歯を失う理由の約40%を占め、多くの方がこの歯周病で歯を失っています。歯ぐきの発赤や腫れのみであり、炎症が落ち着くと元通りになる比較的軽度のものを歯肉炎といい、周りの組織が崩壊して元通りには戻らない状態を歯周炎といいます。

 

初めは歯茎が腫れる症状から始まります。歯茎は濃い赤色を呈するようになり、歯磨きの時などに出血するようになります。歯周病に罹患すると、口臭も目立つようになり歯がぐらぐらと揺れだします。歯周病は痛みを伴うことがあまり無く、気が付いたころには重度となってしまい、歯の周囲の骨が溶けてしまって抜歯が必要となることもある恐ろしい病気です。

 

 

歯周病の怖いところは1本の歯に留まらないということです。細菌に対する炎症反応によって複数の歯の周りの骨が溶けてしまい、奥歯から次々に喪失(抜歯)していく特徴があります。

 

 

歯磨きをしていて血が出ませんか?

思い当たる方は歯周病かもしれません。歯茎の腫れや出血が歯周病のスタートサインです。

 

 

静かに進行していく非常に怖い病気なのですが、予防することで多くの歯を救うことが可能です。歯茎が腫れる前に歯科医院を受診して歯周病を未然に防ぎましょう。

 

 

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歯茎が腫れる原因 その2.

歯根破折で歯茎が腫れる

 

 

歯に亀裂が入り、歯の根っこまで割れてしまう状態を歯根破折といいます。破折面に沿って、細菌は深いところまで直接侵入してしまい、細菌感染を起こして歯茎が腫れるようになります。

 

 

破折の程度によって治療は異なります。

 

浅部までの破折であれば歯を温存できますが、深部に到達する破折の場合は抜歯が必要となる場合もあります。

 

 

 

 

後半では深部におよぶ歯根破折に対する治療を症例を添えてお話しします。

 

 


 

歯茎が腫れる原因 その3.

根尖性歯周炎で歯茎が腫れる

 

細菌が歯の内部に侵入した場合、または根管治療後に細菌感染を起こした場合は根の先端で炎症反応が起きます。歯の根元近くを押すと違和感や痛みが出ることがあります。歯茎が腫れることもあります。その歯は神経を取った経験がありませんか?レントゲンをとってみると細菌感染が起こっていて骨が溶けているかもしれません。

 

免疫力が低下している時は急性炎症を起こすこともあり、歯茎が硬く腫れて痛みを伴うことがあります。根尖性歯周炎が急性化した際には麻酔や治療が逆効果になる場合があるので、抗生剤や痛み止めで様子をみることがあります。急性化が落ち着いた後は、歯茎がブヨブヨと腫れるようになるので、歯茎を切開して膿を出す作業を行うことがあります。

 

根尖性歯周炎は歯の内部の細菌が問題であるので、根管治療が必要になります。歯の内部を洗浄して、歯茎が腫れる症状が落ち着いてから根管充填を行い、被せ物を製作するという治療が必要です。

 


 

歯茎が腫れる原因 その4.

智歯周囲炎で歯茎が腫れる

 

 

親知らずが歯茎の下に埋まっている場合は、親知らずの周囲が不潔になりやすく感染を起こしてしまい、歯茎が腫れることがあります。歯茎が腫れるようになってしまうと、抗生剤で一時的に炎症を抑えることが出来ますが体調が悪い時などに再度歯茎が腫れてしまいます。

親知らずが原因で歯茎が腫れる場合は、抜歯以外の選択肢はありません。

 


 

このように『歯茎が腫れる』という症状にも主に4つの原因があることが分かりました。

 

日々の診療を行うにあたって、この4つの原因の中では歯根破折が最も多いのではないかと感じています。事実、定期的な検診やクリーニングにしっかりと通っている方は歯周病は安定している方が多く、根尖性歯周炎においても歯茎が腫れるリスクがある歯には事前に根管治療をやっているケースが多い傾向があります。

 

つまり、歯周病と根尖性歯周炎からくる歯茎の腫れに関しては定期検診を行っていればある程度は回避できる問題であることが分かります。

 

 

しかしながら、歯科医院に定期的に通っていても予防が出来ないのが歯根破折なのであります。

 

なぜならば、咬合力によって引き起こされる問題であるので、クリーニングやセルフケアでいくら上手にケアが出来ていても歯が割れてしまっては感染の制御が不能になってしまうからです。

 

本日は、その日々のケアではなかなか予防できない「歯根破折」に焦点を当てて、内容と治療を詳しくみてみましょう。

 

 

歯根破折が原因で歯茎が腫れた

 

歯根破折の多くは神経を抜いた歯(失活歯)に起こります。日本人の歯を抜く理由の約15%程度はこの歯根破折によるものです。破折した部分から細菌が根の奥の方へと直接侵入することで感染を起こしてしまい、歯茎が腫れる症状が出ます。

 

深部で破折した歯は現代の歯科治療では予後不良と判断され、抜歯が必要となります。

 

 

診断

1.レントゲン

レントゲンで歯を取り囲むような暗い陰影が出ることがあります。

CTも有効で、破折線を確認することも可能です。これは確定診断となります。

 

 

2.検査器具によるチェック

歯根破折すると、歯の周りの組織が炎症に伴って脆弱になり崩壊を始めます。

破折の周囲に、深さを測る器具(プローブ)を挿入すると、その箇所だけ10mm以上挿入出来たりする場合があります。これは歯根破折に見られる大きな特徴で、このチェックにより破折を強く疑うことになります。

 

 

 

 

治療

○浅い位置で割れている場合

クラウンレングスニングという方法やエクストルージョンという治療法で歯を救うことが出来ます。

 

 

エクストルージョン

(参考症例)

 

 

○深い位置まで割れている場合

深くまで割れていると、上記の方法では感染を制御できないので抜歯が必要となります。

 

抜歯をすると、骨や周りの組織はどう変化するのでしょうか。

変化を見越してしっかり対応することが大切です。

 

 

 

歯を抜くとどうなるの?

 

論文上では、歯を抜くと骨の厚みが2年以内に40%~60%減少することが分かっています。高さに関しても減少します。

 

 

これが前歯の断面図です。歯を骨が支えており、周りには歯茎があります。

 

 

歯を抜いた後はカサブタのように血の塊が形成されて、数ヶ月の時間を経てゆっくりと骨に変わっていきます(クリーム色の部分)。

 

そのまま骨の位置が変わらなければ良いのですが、現実はそうではありません。

 

 

 

歯を抜くと、骨はだんだん萎縮してしまいます。鏡をみると、歯を抜いた後の歯茎は陥没したような印象を受けるようになります。

 

 

そのような状態でインプラントをするとどうなるでしょうか。

 

 

歯の先端を同じ位置に計画すると、とても長い歯になってしまいます。

 

 

 

これでは満足度が高い治療とは言えません。

当院では、インプラントを検討してる方にはリッジプリザベーションという骨の高さを温存して歯の長さが変わらないような治療法を提案しています。

 

 

 

深部に到達する破折が生じた場合、残念ながら抜歯が必要になります。

 

抜歯をすると、上記のような問題も生じてしまいます。

 

 

そこでリッジプリザベーションという治療法をご案内しています。

 

 

 

リッジプリザベーション

 

抜歯後の骨吸収を防ぐ治療法です。インプラントの前処置として重要な役割を果たします。

 

抜歯した部位に人工骨を填入して、ボリュームを維持する方法です。

 

 

 

 

診断結果は「歯根破折」

抜歯が必要となります。

 

 

歯を抜いた部分に、人工骨を填入します。

 

 

白い膜で覆い、縫合をして治療終了です。

 

膜には汚れの侵入を防ぐ効果と、骨以外の余計な細胞が内部に侵入するのを防ぐ役割があります。

 

 

こうすることで、骨が萎縮することを最小限にすることが出来ます。

 

症例に応じてインプラントを同時に埋入する場合もあります。

 

数ヶ月間、治癒を待った後にインプラントを行います。

 

 

 

 

 

数ヶ月間、骨が成熟したら実際にインプラントの治療です。

 

 

 

比較してみましょう。

 

治療後は歯茎が腫れることもなく、噛み合わせも良好になりました。被せ物も同時にやりかえています。

 

インプラント治療は欠損部位を補填するのに非常に有効な手段であり、定期的なメインテナンスとセルフケアを頑張って頂ければとても快適な食生活を送ることが可能になります。

 

 

 

いかがでしょうか。

 

歯茎が腫れる原因は主に4つあります。その中で定期的なクリーニングやセルフケアの予防を頑張っていても防ぐことが出来ない歯根破折についてお話しました。歯を抜くときも骨が吸収することを見越して対策することが肝要です。吸収した後に骨を造成する治療法もありますが、大きな腫脹や切開を伴う場合が多いのが現状です。

 

リッジプリザベーション自体は腫脹や痛みを助長させる処置ではないので、翌日には痛みや腫れを訴える患者さんが少ないのも特徴と言えるかもしれません。

 

 

一つの選択でその後の人生が変わるかもしれません。

 

歯茎が腫れて困ってしまった方、そして抜歯が必要と言われた方、一度ご相談ください。

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