Step8.上部構造装着、完成
インプラントの仮歯に問題がないことを確認して、形のデータを最終のセラミックの被せ物へと転写します。
見た目も綺麗でしっかりと噛める前歯のインプラントは患者様の気持ちも明るくするものであり、『人生観が変わった、話すことや食べることが楽しくなった』と仰る方もいらっしゃいます。
私たちは歯科治療を通して患者さまの生活を豊かにしたいと願っています。
前歯のインプラントに対して不安や悩みがある方はご相談にお越しください。
〒106-0047 東京都港区南麻布1丁目3−7
プレール麻布仙台坂 1階
失った大切な前歯の形や機能を取り戻す前歯のインプラント。
前歯のインプラントは標準的な奥歯のインプラントと比較して治療の難易度が高い傾向があり、高い診断力と技術、そして適切なアフターケアが必要になります。
当院では、口腔内を包括的に診断し、虫歯や歯周病の管理をしっかりと行った上で前歯のインプラントを行います。
適切なステップを踏み、メインテナンスの行き届いたインプラントは天然歯と見分けが付かないほどに自然で快適な存在となります。
このページでは具体的な治療ステップを添えて前歯のインプラントについて案内します。
まずは『どうして前歯を失ったのか』を見極める必要があります。その問題をしっかりと解決するように治療計画を立てる必要があります。
例えば、歯周病などの細菌由来の問題で前歯を失ったのか、噛み合わせなどといった力に由来する問題で前歯を失っているのか。もちろん複合的な問題も考えられます。原因に対して適切な治療計画であるのかどうかという点は前歯のインプラントを成功させるには最も重要な要素となります。
私たちは歯がないところにインプラントを置けば良いというものではありません。
歯周病が重篤な方に対して適切なケアがないままに前歯のインプラントを行なってしまうと、インプラント周囲炎という細菌感染症が起こってしまい骨の喪失へと繋がります。
大切なお口のことを20年先、30年先まで考えて可能な限りトラブルが少なく安心できるような前歯のインプラントの計画を立てたいと願っています。
具体的な診断については『精密検査』のページで案内しています。
前歯の欠損した原因が明確になった後は、実際にその場所にインプラントが出来るのかどうかを判断するためにCTが必要となります。
前歯のインプラントでは、まずは歯の長さや角度、太さを考える必要があります。
そして、インプラントは骨に結合して咬合に耐えていくので強固な骨が存在しないといけません。
CTを撮影して、治療後に想定される前歯の直下にしっかりと理想的な骨が存在しているのかを確認します。
骨造成という方法で骨の厚みを増大して、前歯のインプラントをすることができる可能性があります。
前歯のインプラント予定部位にwax(グレー色)を用いて彫刻をします。
このステップによって形の確認や上下の噛み合わせを三次元的に確認します。
このように実際に模型上で咬合や審美性を確認する作業は患者様や歯科技工士とのイメージを共有するためにとても大切なことなのです。
出来上がった前歯のインプラントが『イメージ違い』とならないように事前のワックスアップを提案しています。
CTデータとWaxUpのデータをマッチングさせてコンピュータ上で前歯のインプラント手術のシュミレーションをします。
ストローマンガイドという手術サポートキットを用いることで、事前にプランニングした前歯のインプラントの角度や深さといった位置情報を実際の手術で高精度に再現することが可能になります。
実際にストローマンガイドを使用しながら前歯にインプラントを埋入します。
骨が少ないと事前診断にて判明した患者さまに対しては、このインプラント手術と同日に骨造成手術をする場合もあります。
また、インプラント手術に先立って数ヶ月前に骨造成手術を行う場合もあります。
既存の骨の量や状態によって歯科医師が適切な骨造成とインプラントのタイミングをお伝えします。ご相談ください。
インプラントの手術の当日はインプラントに負荷をかける行為は避けた方が賢明と考えられます。
よって、前歯のインプラント手術当日はポンティックタイプの仮歯が推奨されます。
欠損部が元々ブリッジになっている場合はブリッジ形態の仮歯にするのも良い方法です。
ただし、複数歯を失った症例や広範囲の症例の場合はインプラント埋入当日に咬合の力をかける即時負荷(イミディエイトローディング)という方法も存在します。
推奨される方法ではありませんが、患者さまの置かれた環境の中で最適な臨床判断をとる必要があります。
前歯のインプラント手術から約3ヶ月後、粘膜に小さな穴を開けてインプラントのパーツを付け加えます。
パーツをつけた後は1週間ほど歯肉粘膜の治癒を待ちます。
二次手術の後に粘膜の治癒が進めば、次はプラスチック製の前歯の仮歯を装着します。
仮歯は前述のワックスアップの形を参考にしながら作製されます。
この前歯の仮歯を用いて、噛み合わせや形態が問題ないことを確認します。
また、患者さまに日常生活を送っていただいて会話や食事に問題がないことを確認するステップでもあります。
インプラントの仮歯に問題がないことを確認して、形のデータを最終のセラミックの被せ物へと転写します。
見た目も綺麗でしっかりと噛める前歯のインプラントは患者様の気持ちも明るくするものであり、『人生観が変わった、話すことや食べることが楽しくなった』と仰る方もいらっしゃいます。
私たちは歯科治療を通して患者さまの生活を豊かにしたいと願っています。
前歯のインプラントに対して不安や悩みがある方はご相談にお越しください。
前歯の周りには約1mmの束状骨という骨があります。歯を抜くと、その束状骨は吸収してなくなってしまいます。
日本人女性の前歯の骨の厚みは約1mmというデータがあるので、歯を抜いてしまうと数ヶ月後には大きく陥没したような見た目に変わってしまうのです。
このようにならない為に歯を抜く際に同時に骨を足す歯槽堤保存(リッジプリザベーション)という処置を提案する場合があります。
リッジプリザベーションを行うことで前歯の骨の厚みや高さを維持することが可能になります。
見た目が綺麗な状態を保つことができるのみならず、均整の取れた歯並びは清掃性が高くなるのでインプラントも感染しにくく長持ちすることになります。
近年では、歯の一部を残したまま前歯のインプラントを埋入するPETという歯槽堤保存の新しいコンセプトが注目されてきており、これからデータベースの充実が求められています。
世の中には多くのインプラントがあります。
当院が採用しているのはスイスに拠点があるストローマンインプラントを使用しています。
ストローマンインプラントは世界70ヶ国以上の国で採用されており、世界シェアNo.1のインプラントです。
万が一、海外へ転居が決まってしまった場合でも世界中の歯科医院で継続治療ができる可能性が高く、トラブルが起きた場合でも適切な対応を受けることが可能になります。
ストローマンインプラントは大学病院で使用されており、長期的な臨床成績のデータが蓄積されており、化学的なエビデンスに基づいた信頼性の高いインプラントと言えます。
現在の主流であるチタン製インプラントはしっかりとしたメインテナンスとセルフケアが確立されていれば感染せずに数十年持つことが分かっています。
前歯のインプラント治療後に適切なメインテナンスが行われておらず、インプラント周囲に細菌が定着してしまうとインプラント周囲炎というインプラント周囲の骨や歯肉が感染して溶けてしまう病気に罹患することがあります。
一度インプラント周囲炎に罹患してしまうと、歯肉が腫脹して長期的には歯茎が下がってしまいます。
それに伴って前歯のインプラントが長く見えるようになり審美性を喪失してしまいます。
重篤な状態になると、インプラントのメタル色のフィクスチャーが見えてくるようになり、排膿や動揺を示すようになります。
そのようにならないためにインプラントのメインテナンスとセルフケアは最重要事項となるのです。
また、細菌感染以外にもインプラントの問題はあります。
人工歯が欠けたりすることやネジが緩むことがあります。
十分な強度を持ったインプラントですが、歯軋りが強い方や咬合力が強い方の場合は稀に内部のネジが破損することもあります。
定期的に歯科医師の健診が肝要です。
インプラントは骨に留置して単独で噛むことが出来るのでブリッジのように周りの歯を削る必要がありません。
入れ歯のように金具を周囲の歯にかけることもないので周囲の歯に負担をかけません。
ブリッジは上手に作製しても連結部があるので人工的に見えてしまいますが、インプラントは単独であるので継ぎ目がなく天然歯と同じような見た目にすることが可能です。
また、入れ歯のように金具が目に見えることがありません。
セルフケアとメインテナンスが適切に行われていればインプラントは数十年の間、同じ状態を維持することが出来ます。
それに対して、天然の歯を利用するブリッジは虫歯になるリスクや破折してしまうリスクがありますし、入れ歯は数年で再製作が必要になります。
前歯のインプラントの長期安定はメインテナンスとセルフケアにかかっています。
定期的にメインテナンスを受けることでより良い状態をキープしましょう。
前歯のインプラントは保険適用外の診療内容です。他の診療内容と比較して高額な費用がかかります。
インプラント治療は局所麻酔を使用して手術を行います。
十分に麻酔効果を得た後に手術を開始するので術中に疼痛を自覚される方は多くはいません。
事実、親知らずの抜歯よりも術中術後の痛みは程度は軽度であったと答える患者さまは沢山います。
もちろん、外科侵襲を加えるので痛みを自覚する場合もあります。その際は追加の麻酔を行うことで痛みの軽減を図ります。
手術に対する不安感を軽減するには静脈内鎮静法(セデーション)という方法があります。
セデーションとは麻酔の効果でウトウトしながら心地よい状態を継続することです。
腕の静脈に点滴をとり、薬をゆっくりと流し込むことで緩徐に意識を落とす方法です。
全身麻酔とは異なり、呼びかけには応答する程度の麻酔深度をキープします。
このセデーションによってインプラント手術の音や振動に対する不安を軽減してリラックスして手術を行うことが可能になります。
麻酔には健忘効果があるので、術中のことをほとんど覚えていないという特徴があります。
またセデーションではステロイドも使用することが出来るので、術後の腫れや痛みを軽減する効果も期待できます。
前歯には亀裂が入り、感染が認められたので抜歯が必要となりました。
失った前歯に対してインプラントを使用することで機能回復を図ります。
歯を抜いてしまうと、歯の周囲にある束状骨は血流不全となり吸収してなくなります。
日本人の女性の束状骨の厚みは約1mmであるので、抜歯をすることで前歯の骨が極度に喪失してしまい、陥没した歯茎を呈することになります。
このような陥没した歯茎にならないように、抜歯と同時に人工骨を追加するリッジプリザベーションを推奨しています。
既に抜歯がされており、骨が少ない場合には骨造成手術が必要になります。
骨造成手術を行うことによってインプラントを理想的な位置に埋入することが可能になります。
骨造成がなされずにインプラント手術がされると、インプラントが妥協的な位置に配置されるようになるので審美障害や発音障害が生じやすくなる恐れがあります。
そしてインプラント周囲炎にも罹患しやすくなるので重要な治療ステップなのです。
コンピュータ上でCTデータと口腔内の画像データを統合して、前歯のインプラントをシュミレーションします。この際にストローマンガイドを作製します。
実際のインプラント手術ではストローマンガイドを用いて前歯のインプラントの位置を正確に再現します。
インプラント埋入から3ヶ月後、二次手術を行い、1週間後に前歯のインプラント用仮歯を作製します。
インプラント用の仮歯を用いることで審美性の確認や咬合の確認をします。
また、前歯の仮歯を用いて歯肉の厚みを増減することが可能であり、これは清掃性にも影響するのでインプラント周囲炎の予防に対しても必要なステップです。
理想的な形に修正した前歯のインプラント用仮歯の形を最終的なセラミックの前歯に反映するために仮歯のデータを転写するカスタムインプレッションという作業を加えながら型取りを行います。
前歯のインプラントは全てのステップが高い水準で満たされていないと天然歯のような見た目や噛み心地は得られません。
非常に難易度の高い分野ではありますが、綺麗に仕上がると患者さんの喜びも大きいものです。この方は他の歯もインプラントにしたいと喜んでいました。
医療従事者としては天然歯を大切にする予防歯科を重要視しているので複雑な気持ちですが、ご評価いただいたことは大変嬉しく感じております。
前歯のインプラントに関連する様々な記事を掲載しています。
費用や治療のステップ、素材や関連手術などコンテンツが充実しています。併せてご覧ください。