〒106-0047 東京都港区南麻布1丁目3−7
プレール麻布仙台坂 1階
一般的な歯科医院選びでは、どうしても「通いやすさ(回数)」や「予算(費用)」が判断基準の大きな割合を占めます。しかし、もしこれらの制約がないのであれば、選ぶべき基準は「効率」から「質への没入」へとシフトします。youtubeでも投稿した歯科医院選4つのポイントを深化させた質に焦点を当てた治療を受けるためのコツを紹介します。
「人柄」や「親身なカウンセリング」を究極まで突き詰めると、「歯科医師の時間をどれだけ独占できるか」という基準に到達します。
保険診療をベースとする医院では、経営構造上、1時間に数人の患者を並行して診る必要があります。しかし、費用の制約がないならば、1日の診療人数を極限まで絞り、一人の患者に数時間を充てる「プライベート歯科医院」が選択肢に入ります。 こうした歯科医院では、麻酔が効くのを待つ数分間でさえ、医師は他の患者の元へ去ることなく、あなたの傍らで表情や呼吸の変化を観察します。この「濃密な時間」こそが、微細な違和感を見逃さない最高の人柄(誠実さ)の発露となり、初診当日に治療を急がないという原則を、より高い次元で実現します。
マイクロスコープやルーペは、今や「持っていること」は前提であり、重要なのはそれを「使いこなしてどのような結果を出しているか」です。
制約がない場合、設備の充実度に加えて、その医師が「国内外の学会で症例発表を行っているか」「歯科医師向けに技術指導を行っているか」を確認してください。最新設備はあくまでツールです。そのツールを使って、1ミリの10分の1以下の精度で歯を削り、適合させる技術があるかどうかは、過去の膨大な症例写真の提示や、学術的な評価によって裏付けられます。「道具がある」ことと「最高の結果を出せる」ことは別物であると認識することが、後悔しない選び方のコツです。
youtubeでもご紹介した「診断に偏りがないこと」をさらに発展させると、一人の医師の能力を超えた「各分野のスペシャリストによるチーム診断」という考え方があります。
現代の歯科医療は高度に細分化されています。一人の歯科医師が「矯正」「インプラント」「歯周外科」「根管治療」のすべてで世界トップレベルであることは非常に困難です。私自身はこの困難に熱量を持って挑み、寝食を忘れるほどに臨床の研磨に没入しておりますが日々山の険しさを痛感しております。
費用と回数の制約がないのであれば、それぞれの分野の「専門医」が同じクリニックに集結している、あるいは強固な連携を組んでいる歯科医院を選びましょう。一つの症例に対し、補綴(被せ物)に精通した歯科医師が口腔内の治療の指揮者となり、歯周病専門医が歯周病治療を行うことで地盤を固め、矯正医が歯の位置を力学的に安定する位置に設定し、補綴(被せ物)の専門医が最終的な美しさを仕上げる。この「リレー形式」の治療は、通院回数こそ増えますが、それぞれの専門性がぶつかり合うことで、単独の歯科医師では到達できない「生涯機能する歯」を作り上げます。
「保険と自由診療の適切な説明」ができる歯科医師を見つけたら、次は「歯を作る職人(歯科技工士)」に注目してください。
通常、被せ物は外部の技工所に郵送で発注されますが、最高の結果を求めるなら、院内に専属の技工士がいる、あるいは製作時に技工士が立ち会う歯科医院が理想的です。都心であれば歯科技工所併設の医院は少数ではありますが、立ち会いという形で歯科技工士が臨床に同行します。
技工士が直接、患者の顔の輪郭、肌の色、話す時の唇の動き、そして何より「その人らしい表情」を観察することで、人工物であることを感じさせない、天然歯以上の調和をもたらすことができます。費用を惜しまない治療とは、単に高い材料を使うことではなく、こうした「プロフェッショナル同士の緻密な連携」に投資することに他なりません。
以上が時間や費用の制約を外した歯科医院選びの真髄でした。
「安さ」や「早さ」は、時に医療の質を削ることで実現されます。その制約を取り払った時、残るのは「医療者がどれだけ誠実かつ精密に、あなたの人生のQOL(生活の質)にコミットできるか」という一点です。
痛みが出る前だからこそ、こうした「理想の基準」を手に、じっくりと時間をかけて、あなたの人生のパートナーとなる歯科医院を探してみてください。