インプラントの仮歯
〒106-0047 東京都港区南麻布１丁目３−７
プレール麻布仙台坂 １階
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インプラントにすることが決まった方は仮歯を使ってテストドライブをすることを推奨しています。前歯のインプラントをすることに決めた方は必ずインプラントの仮歯をつける必要があります。
前歯のインプラントの仮歯は審美性と噛み合わせの仕上がりを最大限に高める重要な役目を果たします。
このブログではインプラントの仮歯とは何であるか、そして審美性と噛み合わせを高める2つのポイントを解説します。
インプラントの仮歯はプラスチック製のスクリュー(ネジ)が付いた構造をしています。インプラント自体がスクリューであるので、ネジにネジを噛み込ませる構造です。インプラント手術が終わってから3ヶ月ほどが経過した際にインプラントの仮歯は使用されます。
インプラントの埋入当日からインプラント用の仮歯を装着する場合もあります。ただし、当日にインプラントの仮歯を作ることは非推奨であり、それはインプラントを埋入した後は3週間〜3ヶ月ほど骨とゆっくりと結合していく大切な期間であることに由来します。
この期間に仮歯を作って咬合力をかけることは骨とインプラントの隙間に骨以外の組織が侵入することになり、インプラントと骨がしっかりと結合出来なくなるのです。インプラントが骨に結合出来ないと、インプラント体が揺れて脱落する恐れがあるので一度インプラントを撤去しないといけません。治療期間も長くなり、周囲の骨はさらに減ってしまうので非推奨となります。当院では治療の成功率を第一に考えているので、インプラントの埋入ごは3ヶ月間の待機期間を設けております。
とはいえ、前歯の治療であるので歯がないのは困ってしまいますよね。非推奨であるのは、当日にインプラントに負荷をかけることであるのでインプラントには触れずに両隣の歯を利用して宙に浮かせるブリッジタイプの仮歯にするなどの工夫をしています。
多くの歯を失ってしまった方にはオールオン4またはオールオン6という方法で最小限のインプラント本数で固定式の補綴物を装着することが可能になります。
オールオン4はインプラントを埋入したその日からインプラントに仮歯をつけるという特徴があります。インプラントの埋入前に仮歯を作製しておき、その日に噛み合わせの負荷をかけて噛むことができるようになります。
似たようなものにはボーンアンカードブリッジというものがあります。オールオン4は前方に4本のインプラントを埋入して、入れ歯タイプの仮歯を装着します。ボーンアンカードブリッジというものはブリッジタイプで全ての歯を繋いで噛み合わせを作ります。どちらもインプラント当日に仮歯を装着することが出来ます。ただし、インプラント当日に噛み合わせの負荷をかけることは、あくまで非推奨であるのでインプラントがうまく生着しない可能性もしっかりとご理解頂く必要があります。
インプラントを埋入して、出来上がった歯は周りの歯ときちんと調和させる必要があります。
歯の長さや笑った時の歯茎の見え方には審美性が求められます。インプラントの仮歯は長さや厚みを任意で修正出来るので、歯科医師が患者様の目の前で調整することが出来ます。
歯茎の際の部分の厚みを増やすと、歯茎はプッシュされて低くなり、厚みが増します。歯茎は適正な厚みをとることで細菌の侵入を防ぐ機能を果たすようになり、細菌感染の予防に繋がります。
また、歯茎をプッシュすることで前歯のインプラントの仮歯は長くなります。周りの歯との調和が取れるように長さを調整することで審美性をしっかりと確認します。
このように仮歯を修正することで細菌への抵抗性と審美性が十分に確保できた後は、インプラントの仮歯の形を転写すると、本番のセラミックの歯も同じような歯茎の位置、歯の長さになります。
インプラントを埋入した後は3ヶ月ほど経過した後に仮歯を装着してしっかりと噛めるかどうかを確認します。この際に実際に咀嚼の力をかけてインプラントに不具合がないかと確かめる必要があります。もし、しっかりと骨と結合していないと、仮歯が揺れてくることがあるので重要なステップです。
同時に発音や会話、そして実際の食事で問題がないかどうかを確認することも大切です。
このように使用感や噛み合わせ、審美性、発音、舌触りなど多くの項目を確認して、大丈夫であれば最終的なセラミックの歯が装着されます。
出来上がってきたセラミックが満足度が高いものになるように仮歯はテストドライブの役割を果たしているのです。
インプラントの仮歯は日常生活での制限が少ないのが特徴ですが、プラスチックという素材であるので割れることがあります。割れた場合は、クリニックに来院して頂いて、その場で修理を致します。
インプラントの仮歯はあくまでテストドライブです。最終的なセラミックやジルコニアの被せ物はプラスチックの歯と比べ物にならない程に硬い素材ですが、噛み合わせに問題があって割れたのであればしっかりと是正して、しっかりと安定させなければいけません。
治療の内容によっては2,3年仮歯でいることもあるので、そのような方は治療期間中に仮歯が割れるという経験をする方もいるということをご留意ください。
インプラントの仮歯期間は患者様の治療の内容によって異なります。
修正点が少ない場合は数週間で最終補綴物(セラミックやジルコニア)に変えることもあります。
複雑な治療を行なっている場合は数年間はインプラントの仮歯で過ごす方もいらっしゃいます。例えば、歯科矯正中であれば、歯科矯正前にインプラントの仮歯を装着して、歯科矯正が終了してから最終補綴物に移行する場合があります。
虫歯とは歯にプラーク(細菌の塊)が長期停滞することで細菌から出される酸によって歯が溶けてしまうことを指します。インプラントの仮歯にも歯磨きが上手に出来ていなければプラークは付着するのですが、インプラントの仮歯が溶けてしまうということはありません。
ただし、インプラント周囲にプラークが長期で停滞するとインプラント周囲炎に罹患することがあります。インプラント周囲炎はインプラント周囲の歯茎が腫れたり、血が出る症状があります。重篤なものになれば骨が溶けてしまい、インプラントが脱落する可能性もある怖い疾患です。
インプラント周囲炎は歯周病が重篤な方が罹患しやすい傾向があります。歯周病が重篤な方は、インプラント治療の前に歯周病をしっかりとコントロールしなければいけません。当院では、歯周病が現在進行形で進んでいる方にはインプラント治療を延期して、歯周病治療のフォローを徹底します。それは、インプラント周囲炎に陥るとインプラント治療から得られる「素晴らしさ」よりインプラント周囲炎から感じる「後悔」の方が勝る可能性が高いからです。せっかくインプラント治療をご希望されているのであれば末長く噛める幸せを感じて頂きたいので衛生管理は最重要事項となるのでご理解頂けますと幸いです。私たちもしっかりとサポート致しますので一緒に頑張りましょう。