ラミネートベニア|ブログ|デンタルクリニック麻布仙台坂|麻布十番の歯医者・歯科 インプラント

電話アイコン03-3456-6411

〒106-0047 東京都港区南麻布1丁目3−7
プレール麻布仙台坂 1階

MENU
ラミネートベニア

ラミネートベニア

  • 2021年1月6日
  • 2024年1月5日
  • 症例

ラミネートベニアという言葉をご存じでしょうか。歯の表面にセラミックを貼り付ける審美歯科の治療法であり、低侵襲で美しい歯を手に入れる治療方法としてメディアなどで耳にしたことがあるという方もいるのではないでしょうか。

 

近年では、健康増進に対する意識向上はもちろんのこと、SNSの普及やライブ配信動画の画質向上などを背景に口腔内の審美性に対する関心が高まっています。当院でもラミネートベニアに関する患者様からの質問を多く受けるようになったと感じています。

 

 

「ラミネートベニアを超える〇〇」

「全く削らない〇〇」

ラミネートベニアについて関心がある方はインターネットで上記のようなフレーズを聞いたことがあるかもしれません。歯も削らずに、ラミネートベニアより質がいいものがあるのかと感じてしまうかもしれませんが騙されないでください。これは、他院様が考案したキャッチーな言葉でポジショントークをしているだけであり、根本的な部分は同じですので、決して優れているという訳ではありません。情報が溢れる社会です、ラミネートベニアという治療の本質へのご理解と自己決定が必要な時代となりました。

 

ラミネートベニアはあくまで歯の表面にセラミック(フェルドスパーや二ケイ酸リチウム、ジルコニアなど)を貼り付ける審美歯科治療の総称を指しており、歯を削る場合も削らない場合もあることをご理解ください。歯を削るのか削らないのかという大切な部分に関してはしっかりと根拠を持って歯科医師が説明を行い、良し悪しを把握した上で患者様にご決断して頂く必要があります。

 

 

ラミネートベニアについて知ってほしい2つのこと

1.長持ちするラミネートベニア治療
2.ラミネートベニアは歯を削るのか?

 

このブログでは「長持ちするラミネートベニア治療」「ラミネートベニアは歯を削るのか?」というラミネートベニアについて知ってほしい2つのことに焦点を当てて、皆さんが気になっているラミネートベニアについてしっかりと説明していきます。皆さんの歯科医院選びの参考になれば幸いです。

 

 

 

長持ちするラミネートベニア治療

 

まずは、ラミネートベニアの症例をご覧ください。

 

患者様は30代男性。これまでに虫歯の治療を複数回してきたが治療痕が不自然になってしまい、ラミネートベニアで改善できないかを主訴としてご来院されました。

 

コンポジットレジンが複数箇所に施されており、色の不調和や形態不良が認められます。また、神経をとっている歯については歯の色が黒く変色しており、これも気になる項目だと言えます。

 

私たちはラミネートベニアを含めて全ての治療を行う際に治療したものが出来るだけ長持ちするように配慮しないといけません。歯を失う原因は細菌感染(虫歯や歯周病)か力による破折(噛み合わせや交通事故などで歯が折れる)が大半であるので、この2つへのアプローチは欠かせません。

 

このご年齢で複数の治療をやった経験があるという点や口腔内のプラークの付着程度から虫歯のリスクが非常に高いことが伺えます。このままラミネートベニアをして10年以上長持ちするのでしょうか。正直なところ、このままラミネートベニアをしてもすぐに虫歯になってしまい、長持ちしないと思います。ラミネートベニアも比較的高額な治療であるので、リスクが高い患者様に関しては現状の説明と起こりうるリスクをしっかりと説明し、患者様の協力と努力が必要になります。

 

 

当院では、このように感染リスクが高い方に対して、ラミネートベニアを行う前には必ずプラークの染め出しを行うことで現時点の磨けていない部分を患者様と一緒に確認を行い、セルフケア徹底を行ないます。細菌数を減らすことで感染のリスクを減らしましょう。歯科衛生士がクリーニングと日々のセルフケアのマネジメントを行いますので一緒に頑張りましょう。地道ですが、細菌の多い口腔内でラミネートベニアを長持ちさせるには患者様の協力が不可欠なのです。ラミネートベニアの治療期間は2,3回の来院で1ヶ月程度で終わりますが、当然ながら日々のセルフケアは一生必要となります。

 

 

⬆︎治療前の写真⬆︎

 

また、ラミネートベニアを長持ちさせるには噛み合わせも非常に重要な要件です。

この方は前歯の噛み合わせが理想的ではなく、前歯の歯根吸収や僅かな動揺を認めておりました。ラミネートベニアは薄いセラミックであるので、噛み合わせが良好でない場合は作製したラミネートベニアが破損する場合があります。前歯と奥歯が相互に守り合うような噛み合わせがラミネートベニアを長持ちさせる鍵になります。

 

ラミネートベニアの前に歯科矯正をすることで咬合の安定を図りました。

 

 

また、ラミネートベニアを作製する際には上写真のようなワックスアップという模型を作製します。これは後述する「ラミネートベニアは歯を削るのか?」に関連するステップです。黄色い部分は患者様の歯です。グレーの部分は審美的に足りない部分に蝋(wax)を盛って彫刻しています。

 

カウンセリングの際にこの模型を見て頂き、問題がなければラミネートベニア製作に入ります。黄金比や平均値を参考に作製していくものですが、審美というものは個人の主観を伴う分野です。ラミネートベニア治療が終わった後に「イメージと違う」とならないように、このシュミレーションは非常に大切なステップです。

 

 

 

 

ラミネートベニアを長持ちさせるには、細菌と力をしっかりとコントロールする必要があります。何年経っても美しくて壊れたり感染しないためには、私たち歯科医師の診断力と技術力、そして患者様の地道な努力と協力が必要不可欠です。私たちもサポートしますので、一緒に頑張っていきましょう。

 

 

ラミネートベニアは歯を削るのか?

ラミネートベニアに興味があり、インターネットを見ながら施術を受けてみるかを考えてはいるものの「歯を削る」という行為に対してはどうしても不安感を抱いてしまうという方も多いのではないでしょうか。やはり天然歯を削らないというのは重要な要素でありますし。

 

しかしながら削らないことに執着することで、歯茎が腫れやすくなったり、見た目が野暮ったくなる可能性もあるという事実も忘れてはいけません。このパートではどうして歯を削るのか、削らなくてもいいのかをしっかりと説明します。ラミネートベニアのデメリットとの向き合い方を説明します。

 

 

ラミネートベニア治療をする前にはワックスアップを作製します。黄色は現在の口腔内の状態であり、グレーは審美的に美しくなるようにワックスを盛って彫刻したものです。

 

ラミネートベニアは厚みが0.4mm程度あるので、この模型から逆算して0.4mm削り込んだ位置がグレーであるのか黄色であるのかというのが歯を削る判断基準となります。天然歯を0.4mm削るという意味ではなく、模型上で逆算して削ると想定される黄色の部分だけ天然歯を削るということです。前歯を下げたい場合は0.4mm以上の削合が必要になりますが、基本的には0.4mm以下となるケースが多いです。

 

言い換えれば、逆算して模型上でグレーが残っていれば歯を全く削らずにラミネートベニアを行うことも可能です。その典型例が矮小歯です。生まれつき細い歯のことを矮小歯といいます。このような場合は歯を削らずにラミネートベニアができるのでオススメです。また、すきっ歯や僅かな歯並びの改善の際にも歯を削らずにラミネートベニアが出来るのでメリットが多く、オススメです。

 

 

出っ歯とラミネートベニア

前歯が前に出ている場合(俗にいう出っ歯)は、天然歯を0.4mm以上削って内側に下げる必要があります。ただし、ラミネートベニアの天然歯削合量はエナメル質の範囲内(1mm程度)で収めないといけません。エナメル質は97%以上が無機質で形成されているのでセメントとの相性が非常に良いとされています。つまり、削る量が多いと接着力の低下に繋がるので、そもそも削合量が多いと想定されるケースは歯科矯正などが前処置として必要になります。

 

 

やっぱりラミネートベニアで歯を削りたくない

歯を削る判断基準は前述しましたが、それでも歯を削りたくない方はいると思います。意思決定は患者様が行うので、事前の診断で歯を削る必要があるの説明した患者様に対して、私たちは歯を削らずにラミネートベニアをすることも可能です。

 

 

しかしながら、歯を削らないことに関心が向きすぎることで事前診断に反して歯を削らずにラミネートベニアを行った場合は、厚手になるので天然歯の形から遠かった仕上がりになります。プラークが溜まりやすくなるので不衛生となり、歯茎が腫れやすくなることがあります。また、天然歯のような自然な形からは遠ざかるので形も人工的になってしまい、野暮ったくなることもあるので事前に理解して頂く必要があります。

このような場合は、そもそもラミネートベニアをしないという選択肢の方が口腔内環境としてはまだ良いということもあるのです。ラミネートベニアをした後のトラブルの多くは治療前から事前に予想できる内容ばかりですので、トラブルが起こった後に後悔しないように歯科医師としっかりと相談しましょう。

 

 

いかがでしょうか、以上が「長持ちするラミネートベニア」「ラミネートベニアは歯を削るのか?」でした。

ラミネートベニアを長持ちさせるには細菌と力のコントロールが大切であり、患者様の日々のセルフケアという地道な努力が必要であることが伝われば幸いです。また、皆さんが気になる歯を削るのかという話題に関しては、模型から逆算して考えているということが説明されていました。削らずにできるケースもあれば、削らない選択をすることで不衛生になったり逆に審美性が悪くなることもあるということが伝わればこのブログを書いた甲斐があったと感じます。

皆さんのラミネートベニアの治療選択の参考になれば嬉しく思います。信頼できる歯科医院様で納得のいく治療選択をぜひ行ってください。

 

 

 

ラミネートベニアの前にオススメしていること

・歯の色が気になる方

 

天然の歯の色はオフィスホワイトニングやホームホワイトニングを利用することで白くなります。

初めてのオフィスホワイトニングであれば、おおよそ2トーンほど白くなります。ホワイトニングを継続することで色のトーンはあがり、明るい印象になりますが、上の写真のような白斑などがあるとホワイトニング後も模様が残ったりする場合があります。ラミネートベニアの前にホワイトニングのみで悩みが解決することもあるかもしれません。参考にしてみてください。

 

 

⬇︎⬇︎初めてのホワイトニングについて⬇︎⬇︎

<ホワイトニングって白くなるの?>

⬆︎⬆︎クリック⬆︎⬆︎

 

ホワイトニングでどうしても白斑が消えない場合はラミネートベニアの相談が必要になります。

 

ラミネートベニア を用いた治療をすることで、歯の色調にまつわる問題を解決できます。

(白斑は病的なものではないので、必ずしも治療が必要という訳ではありません)

 

 

 

ラミネート以外の審美歯科

ラミネートベニア 以外でも審美的なセラミック治療はいくつかあります。

それぞれの歯の状態に適した治療を選択していきます。

 

 

1.インレー修復

2本の歯を治療しています。インレーとは一部の詰め物のことを指します。

 

二ケイ酸リチウムやジルコニアというセラミック素材を用いて詰め物を作製します。

 

 

 

2.セラミッククラウン修復

 

 

歯にスッポリと被せるような治療をセラミッククラウン修復といいます。

 

患者さまがよく仰る「差し歯」というものはこれに該当します(厳密には違う場合もあります)。

 

 

 

これらの治療の選択は、多くは元々の入っている銀歯の大きさや虫歯の大きさによって決まります。

 

また審美的な要求度によって、ラミネートベニア が適切な場合もあればクラウンが必要な場合もあります。

 

 

あなたに合った審美歯科治療はどれでしょうか。歯科医師とご相談ください。

 

 

東京都港区麻布の歯科医院

麻布十番の歯医者・歯科

カテゴリー

最近の投稿

月別アーカイブ