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歯並びの相談の中で多いのが出っ歯の相談です。どうしてこの子は出っ歯になったのでしょうかと多くの親御さんから質問があります。
このブログでは麻布十番にお住まいの方へ歯科に対する有益な情報をご提供しております。治療選択や医院選びの参考になれば幸いです。
目次
・なぜ出っ歯になるの?
・出っ歯を予防することは出来るの?
・どのような治療になるの?
・出っ歯を治すために手術が必要になることもあるの?
何故、出っ歯になるのでしょうか。出っ歯とは歯科専門の呼称としては上顎前突といいます。上の前歯が前方に倒れて角度が大きい状態のことを指します。
骨格に著しい問題がない場合は、上の歯に対して下の歯が130°をなす角度で咬合している場合が最も噛み合わせとして安定すると言われており、見た目も綺麗に見えます。
出っ歯になる最も大きな要素は遺伝です。
顔立ちや骨格は両親の遺伝情報が伝わるので、ご両親のどちらかが前歯が出ているような骨格であれば遺伝しやすくなります。上顎が出ている方は同時に下の顎が小さいこともあります。上下の顎の距離が離れれば離れるほど治療の難易度は上がり、著しく差が出てしまうと歯科矯正だけではしっかりと噛むことが出来なくなり、手術が必要となる場合もあります。
遺伝以外の要素としては指しゃぶりが挙げられます。
歯の位置は舌の圧力と頬(唇)の圧力の均衡が保たれる場所に落ち着きます。指しゃぶりをすると指を吸う際の舌の圧力と下顎の圧力で上の歯は少しずつ前に傾きます。
指しゃぶりをするとお子さんは安心するという点もあるので無理矢理辞めさせることはありませんが、3歳を過ぎても指しゃぶりを継続しているようであれば高い可能性で大人になっても出っ歯が残ってしまいます。指しゃぶりを辞めさせる器具もあるのでお困りの場合は歯科医院に相談しましょう。
適切なタイミングに歯科が介入することで出っ歯を予防することが可能です。
乳歯の歯並びにおいて指しゃぶりが原因となる出っ歯があれば、指しゃぶりを辞めさせる装置を利用したり、指サックを使用したりすることがあります。
また、ヘットギアという装置も有効です。出っ歯のリスクの高さに応じて使用時間や強さは異なりますが、ヘットギアを利用することで治療難易度の高い出っ歯になるリスクを下げることが可能になります。子供の出っ歯の治療は骨格の成長を利用しながら行います。
「乳歯の出っ歯に対する治療」
前述のように指しゃぶりが原因であれば装置を利用して指しゃぶりを辞めさせることで唇の力で理想的な位置に戻ってくることがあります。
遺伝的に出っ歯になるリスクが高いお子様は定期的に歯科医院に通いながらヘッドギアを使用したり、装置を使いながら永久歯列になった時の治療の難易度を下げる工夫をします。成長期に骨格が大きく変化するので、乳歯の時に対応すれば永久歯列での介入が不要ということは言い切れません。ただし、乳歯列で介入していると治療の難易度が全く異なります。
「永久歯の出っ歯に対する治療」
骨格や歯並びによって治療方法は多岐に渡ります。骨格に問題がなく、出っ歯のみの方もいますが実は少数です。多くの方は出っ歯(上顎前突)と下顎が小さい(下顎劣成長)を伴っていたり、歯並びがガタガタしていたりします。
また、歯のサイズの総和に対して顎のスペースが小さい場合は整然と歯が並ばないので抜歯が必要になることがあります。抜歯は小臼歯という歯が選択されますが、左右の小臼歯を抜歯すると15mm程度のスペースが出来るのでそれを利用しながら出た前歯を後ろに引きこみながら全体の歯並びを整えます。
主な治療方法
・ワイヤー矯正(表側、裏側、コンビネーション)
・マウスピース矯正
・外科矯正(Le-fort I型骨切り術(ルフォー)、上顎歯槽部骨切り術)
矯正歯科には側方から撮影したレントゲンにより診断するセファロ分析という方法があります。セファロ分析で上顎と下顎の位置の差が大きい場合は歯科矯正だけでは歯並びを緊密に整えることが不可能になります。その場合は歯科矯正と併用して外科手術によって上下の骨を理想的な位置に前後させる手術を行います。