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前歯のインプラントはできないと言われた

前歯のインプラントはできないと言われた

かかりつけの歯科医院で前歯のインプラントはできないと言われた方がいらっしゃいました。

 

よく聞いてみると、その歯科医院はインプラントは対応可能であるが、前歯は難しいからやらないと仰っていたそうです。

 

私は10年以上前から前歯のインプラント治療に携わり、日々身近にインプラント治療があるので抵抗感はありませんが、前歯のインプラント治療は僅かな誤差が予後に大きく響き、時として大きな外科手術のスキルも問われる難易度の高い治療であることは間違えありません。僅かな誤差が許されないこと、そして外科手術のスキルが問われるということ。この2つの項目が前歯のインプランはできないと言われるポイントです。本日はこの2つのポイントについてお話しします。

 

歯医者の選び方は難しいですが、このブログが前歯のインプラントを受ける歯科医院選びの参考になれば幸いです。

 

前歯のインプラントは僅かな誤差が予後に大きく影響

前歯のインプラントは三次元的に正確な位置に埋入しなければ、予後が悪くなります。できないと諦める歯科医師がいる一つのポイントです。

 

前に傾いた状態で前歯のインプラントを行うと、歯茎が下がる(萎縮する)方向に移動するので左右の歯の大きさが変わってしまうことがあります。

 

 

また、インプラントの深さも重要です。少しでも深度が深くなるとメインテナンスが困難になるので細菌感染を引き起こしやすくなる特徴がありますし、浅いと適切に歯の形を作る必要十分なスペースが確保できないので歪な形になったり、浅くなりすぎると骨に前歯のインプラントが守られれないのでインプラント周囲炎に罹患するリスクも上がります。

 

前歯のインプラントの前後的な位置関係も非常に大切です。前歯の骨は非常に薄いので、骨が残存してる内側にインプラントを位置付ける方が安全にインプラントを留置できると教わることもありますが、それは同時に隣の歯と瓜二つに見せるには後方に位置付けた分だけ前に大きく張り出させないと審美的に満足されません。そのように前歯のインプラントの埋入の容易さを重視していると、審美性や清掃性が低下するので満足度が高い前歯のインプラントとは言えなくなります。

 

前歯のインプラントを正確に位置付けできるように

 

前歯のインプラントは三次元的な位置の正確性が非常に求めれる治療です。積み重ねてきた経験がもちろん最も重要ですが、DX化の時代ではデジタルの技術も私たちの治療の質を向上してくれます。

CT画像と口腔内のカメラ画像をマッチングすることでコンピューターソフト上でインプラントのシュミレーションを行い、前歯のインプラントの角度、深度を決めて外注すると数日後にはインプラントガイドと言われる補助キットが納品されます。

このインプラントガイドを利用することによって事前のシュミレーションで決めた位置へ高い精度でインプラント埋入をすることが可能な時代になりました。このインプラントガイドを利用することで、歯科研修医であっても計画通りの位置へインプラントを埋入することが可能になります。

ただし、油断はもちろん禁物であり、骨の形態や骨質によっては思うようにドリルが進まないこともあるので臨床化としての経験値は非常に大切です。あらゆることを想定し、対処が出来る経験はどれだけDX化が進んでも歯科医師として重要なものです。

 

前歯のインプラントは外科手術のスキルが問われる

前歯を抜くと、周囲の骨は数ヶ月で陥没するようになり、見た目が変わってしまいます。数年が経ってからインプラントをしようと思っても、萎縮してしまった部分にはインプラントはできません。

インプラントの周囲には十分量の骨が必要であり、自家骨または骨補填剤などで骨造成が必要になります。骨造成は高い外科の技術が必要になる分野であるので、経験がない歯科医師は敬遠する傾向があります。これが前歯のインプラントできないと言われるもう一つのポイントです。

 

前歯のインプラントは位置の正確さと外科手術のスキルの2つのポイントが上手に出来る先生のもとで治療を受けるようにしましょう。インプラント治療は何度も出来る治療ではありません。失敗すると以前にもまして骨は減ってしまい、瘢痕もできるので難易度は上がります。一度の介入でしっかりと丁寧に仕事をして下さるような安心できる先生を探してみましょう。

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