〒106-0047 東京都港区南麻布1丁目3−7
プレール麻布仙台坂 1階
東京都港区麻布十番の歯科・歯医者「デンタルクリニック麻布仙台坂」のブログです。
本日は定期検診・クリーニングの大切さについてお話をします。
皆さんが歯科医院に行くタイミングはどのような時でしょうか。
痛みなどの症状や問題が起きていない場合でも歯科医院へ行きますか?
『歯に痛みがある』
『歯茎が腫れた』
『詰め物、被せ物がとれてしまった』
など、症状や問題が起きてから歯科医院に行くことの方が多いのではないでしょうか。
定期検診やクリーニングは仕事やプライベートが忙しいと、つい後回しにしてしまいがちかと思います。しかしながら忙しい時にこそ検診・クリーニングは大切なのです。
何かの症状が出てからでは、既にむし歯や歯周病が進行しており、組織が崩壊している場合も少なくはありません。
そのような状態であれば、もちろん治療が必要となります。
治療が必要になる場合は即日の治療で終わることもありますが、来院回数が多くなるケースももちろんあります。
結果的として通院期間や通院回数が増えるだけではなく、治療費も高額となってしまうのです。
お口の中の問題を早期発見・早期治療をすることができれば、大きな治療介入を防ぐ事ができます。そのために定期的に検診を受けるということがとても大切なのです。
定期検診とは、定期的にお口の中を診ることで、今現在のお口の中の状態を把握するということです。
「新しいむし歯ができていないか」
「むし歯になりかけていたところが進行していないか」
「歯茎の状態は健康なのか」
「歯周病になっていないか、または歯周病が悪化してきていないか」
など検診を受けることでわかる事がたくさんあります。
またお口の中の状態を把握することによって、日々のご自分でのセルフケア (歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシ等の使い方) が適切であるのかどうかも確認する事ができます。
定期検診と同様に定期的なクリーニングも大切です。
クリーニングとは、言葉の通り「お口の中を綺麗にする」ということです。お口の中を綺麗にすることで後述する細菌の数を減らし、健康増進を行います。
毎日のセルフケアを頑張っている方も沢山いらっしゃると思います。
反対に、忙しくなると雑になってしまったり、やり方はわかっていても継続してしっかりしたケアができていない方もいらっしゃると思います。
日々のセルフケアが疎かになると、悪い細菌たちが増えてしまい、虫歯や歯周病になるだけではなく、口臭やお口の中のねばつき、表面の黄ばみの原因にもなるのです。
お口の中はもともと細菌や微生物が数百億個も生息していると言われています。
大人の口の中で300~700種類ほどあり、歯をよく磨く人で1000〜2000億個、あまり磨かない人で4000〜6000億個、さらにほとんど磨かない人では1兆個もの細菌が繁殖しているのです。もちろんすべてが悪い菌ばかりではなく良い菌も存在しています。
最近ではニュースや携帯のコラムなどで「口内フローラ」という言葉がよく使われているのをご存じでしょうか?
フローラとは良い菌も悪い菌も含めた細菌の集団の事を指します。
近い言葉で「腸内フローラ」という言葉がありますが、こちらのほうが聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?
良い菌のことを善玉菌とよび、悪い菌のことを悪玉菌とよびます。この細菌集団のバランスをとることが健康につながっていきます。
口内細菌には善玉菌と悪玉菌だけではなく、どちらの味方にもなる日和見菌というのも存在しています。じつはこの日和見菌が口内細菌のなかで圧倒的に数が多く、善玉菌が優勢な状態であれば善玉菌に加勢し、悪玉菌が優勢な状態であれば悪玉菌に加勢するという様にどちらか優勢な方と同じ働きをする菌です。
これらの細菌は歯垢(プラーク)・唾液・舌苔の中に存在しています。歯磨きができていないことだけではなく、身体の免疫力が低下することでも口の中の細菌のバランスが崩れて、虫歯や歯周病を引き起こす原因菌が増えてリスクが高まっていきます。
お口の中の代表的な細菌には『ジンジバリス菌(歯周病原菌)』『ミュータンス菌(むし歯菌)』の2種類があります。
ジンジバリス菌が増えると、歯肉に炎症がおきます。
炎症が起きると歯肉は脆弱になり、よく歯茎から血が出るようになります。
血液をエサにジンジバリス菌は増え続けていきます。
細菌数が増えると、メタンや硫化水素などのガスを発生させるので口臭がひどくなります。
このジンジバリス菌は嫌気性菌という種類で、空気が嫌いな菌たちなので空気が入ってきにくい歯周ポケットのなかにどんどん侵入していき歯周病をどんどん悪化させていきます。
一方、虫歯菌として有名なミュータンス菌は嫌気性菌ではないので、空気があってもなくても増えていく菌たちです。
ミュータンス菌はデキストラン(ベタベタした分泌物)という物質をだして歯に粘着しようとします。そして歯に粘着すると、摂取された食べ物のなかの砂糖を分解し、乳酸を作りだして歯を溶かすようになります。このように細菌の影響でどんどん歯が溶けてしまうことを『むし歯』といいます。
お口のなかの悪玉菌はお腹の中の菌とは違い、歯周ポケットやむし歯の穴から血管内に侵入することができます。血管内に侵入した歯周病菌は血液によって全身をめぐり、全身疾患に悪影響を及ぼします。
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歯周病菌と心筋梗塞との関連は強く指摘されており、心筋梗塞の病変部から歯周病菌が見つかったことが根拠となっております。ご興味があれば世界的に有名な以下の論文もご覧ください。
Beck J, Garcia R, Heiss G, et al: Periodontal disease and cardio- vascular disease. J Periodontol 67: 1123–1137, 1996
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8910831/
Joshipura KJ, Hung HC, Rimm EB, et al: Periodontal disease, tooth loss, and incidence of ischemic stroke. Stroke 34: 47–52, 2003
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12511749/
このような重篤な疾患を予防するためにもクリーニングはとても大切です。
声を大にしてお伝えしたい私たちの想い。
それは、あなたの口の健康、そして全身の健康を守るのに本当に大事なことは『その都度の治療』ではなく『定期検診とクリーニング』なのです。
毎日しっかりケアできているようでも、見えないところや手の届きにくいところはあるものです。歯科医院でのクリーニングを行うことで日々のケアでは足りない部分を補います。
当院では3〜4ヶ月に1回の定期検診・クリーニングを推奨しております。
定期的にクリーニングすることによって少しずつ細菌たちを減らすことができ、細菌たちが繁殖しにくい環境を作りあげることができるのです。
また、当院では自由診療でより予防の効果を得られるPMTCも行なっております。
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自覚症状がないとつい忘れがちになる定期検診ではありますが、症状が出る前に来院することがとても大切です。
このブログを読んで「最近歯科医院に行ってないな」「しばらくクリーニングしてないかも?」と思った方は、ぜひご来院ください。お待ちしております。
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