〒106-0047 東京都港区南麻布1丁目3−7
プレール麻布仙台坂 1階
歯医者で行うホワイトニングは白くなるのか、ホワイトニングのメカニズムと実際の施術についてご案内します。
ホワイトニングとは、内部の色素を薬剤を使って分解する事で歯を白くする処置です。
歯磨きや歯のクリーニングで落とす事の出来ない黄ばみが解消される事で、本来の歯以上を白さを実現出来ます。
第一印象は口元が大きく関わってきます。笑った時に白くてきれいな歯が見えると清潔感がありますし、好印象に感じられます。
特にマスクを外すことが多くなった近年では、白い歯のニーズが高まっており、歯科医院でホワイトニングを受けられる方が増えています。
ホワイトニングには様々な方法がありますので、目的に応じた方法を選ぶ事が大切です。
・歯の黄ばみが気になる
・歯への負担をかけずに白くしたい
・自然な仕上がりで綺麗にしたい
・笑顔に自信をつけたい
・他の人からの印象を良くしたい
・しっかりと効果を実感したい
・サロンやセルフホワイトニングでは効果が出なかった
*歯科医院でのホワイトニング
歯科医院で行うオフィスホワイトニングでは、歯科医師・歯科衛生士のみが取り扱う事のできる『過酸化水素』を含んだホワイトニング剤を使用します。
過酸化水素は医薬品で強い薬剤なので、歯科医師または、歯科医師指導の下、歯科衛生士が施術することが法律的に定められています。内部の色素を分解する漂白効果はある為、歯を内側から白くする事が可能です。
エステサロンのホワイトニングと違い、歯の色味自体を綺麗に漂白出来るので高い効果が得られます。
*エステサロンでのホワイトニング
ホワイトニングサロンやエステサロンには歯科医師がいない為、過酸化水素を取り扱うことが出来ません。サロンでは主に『ポリリン酸ナトリウム』『炭酸水素ナトリウム』などを使用していきます。
ポリリン酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムは過酸化水素と違い歯の漂白効果はありません。これらは歯の着色を分解する効果のみです。
ですので、エステでのホワイトニングは歯についた着色汚れやくすみを落としていく、歯本来の色味を取り戻すセルフホワイトニングが主流となります。
ホワイトニングサロンでのホワイトニングは、手軽に安価で施術を受けられる利点があります。
ただ、前述したように効果に大きな違いがある為ご自身の歯を本来以上に白くしていきたい場合は歯科医院でのホワイトニングをおすすめします。
また、市販のホワイトニング歯磨き粉の効果もセルフホワイトニングと同じく、着色を分解・除去するというものです。
過酸化水素を含む歯磨き粉の販売は日本では薬事法で禁止されています。
この法律により、日本のホワイトニング歯磨き粉では歯の漂白はできません。
歯科医院でのホワイトニングで使用する過酸化水素(尿素)は、歯に浸透することで色素を分解し歯を痛めずに白くしていきます。
この薬剤に光を照射すると、漂白の効果がさらに高まります。
ホワイトニングの効果は、もともとの着色度合いや歯の質、生活習慣に左右されるので個人差があります。また、ホワイトニングの方法や種類によっても結果が異なり、ひとくくりに「ここまで」と言うことができません。ホワイトニングをしても白くなりにくいという人もいます。
平均的には、シェードガイドという模型を基準として、1〜2トーン程度白くなる方が多いです。
テレビや雑誌などで見る芸能人の中でも、特に突出して白さの目立つ方は、ホワイトニングではなくセラミックなどを被せている方もいらっしゃいます。
これは通常のホワイトニングとは方法も仕上がりも全く異なるものです。
人工の白い被せ物により、自然な白さを超越した白さに見せることが可能になります。
ホワイトニングには大きく分けて歯科医院で施術を行う『オフィスホワイトニング』と、
自宅で行う『ホームホワイトニング』の2種類があります。
ホワイトニングの効果は永久的な物ではなく、それぞれの方法により持続期間が異なります。
*オフィスホワイトニング
効果の持続期間は3〜6ヶ月です。
歯の表層のみを漂白するため、ホームホワイトニングに比べて持続期間は短いです。
ただし、濃度の高い薬剤を使用するため即効性が高く、1回〜数回程度の施術で白くさせられるのがオフィスホワイトニングの特徴です。
*ホームホワイトニング
効果の持続期間は6ヶ月〜1年です。
オフィスホワイトニングと比較すると長い期間の効果が期待できます。
これは歯の表面だけでなく、内側の象牙質の黄ばみからじわじわと白くするためです。
ただし、使う薬剤の濃度が低いため、効果が出るまでは数週間から数ヶ月と時間がかかります。
いったん白くなると、その効果が長続きするのがホームホワイトニングの特徴です。
*オフィスホワイトニング
明るくきれいな白さがご希望の方は1〜3ヶ月に一度行うのが理想的です。
ある程度の白さで十分という方は3ヶ月〜1年に一度の頻度で問題ありません。
持続性が低いオフィスホワイトニングは、定期的に施術を受けることで白さをキープすることが出来ます。
*ホームホワイトニング
希望の白さとなるまでは週に4日以上、できれば毎日施術を行うのがベストです。
少なくとも2週間に一度は行う必要があります。
これは薬剤の濃度が低く、施術の頻度が低いとなかなか効果を感じられないためです。
基本的には2週間を1クールとし、その期間は毎日ホームホワイトニングをすることをおすすめします。
・知覚過敏が起こる可能性がある
→しみる程度には個人差があるが、適切なケアと経過観察で改善されることがほとんどです。
・歯ぐきへの刺激
→ホワイトニング剤が歯ぐきに触れると一時的に炎症を起こすことがあります。
・処置後の食事する物に制限がある
→ホワイトニング後は色の濃い食べ物や、酸性のもの、アルコール類を控えていただきます。
・効果に限りがある
→一般的にオフィスホワイトニングで3〜6ヶ月、ホームホワイトニングで6〜12ヶ月程効果が保たれます。
【オフィスホワイトニング】
オフィスホワイトニングとは、歯科医院で全ての工程を行うホワイトニング方法です。
歯科医院でしか取り扱うことの出来ない高濃度のホワイトニング剤を使用して、1回の施術で歯を白くしていきます。
*施術の流れ
①歯の表面をクリーニング
表面の汚れを落とす事でホワイトニングの効果が得やすくなります。
↓
②歯肉の保護
ホワイトニングジェルが歯肉に触れないように保護します。
↓
③ホワイトニングジェルの塗布
対象部位に塗布していきます。
↓
④光を照射
歯面に塗布したホワイトニングジェルに光を当てていきます。
化学反応によって歯が白くなります。
↓
⑤効果の確認
ホワイトニングジェルや歯肉の保護を外し、
トリートメントペーストで磨きます。
白さの確認をしたら終了です。
・高濃度のホワイトニング剤を使用するので1回の施術で効果が実感しやすい
・1回で完了するので急ぎの予定にも合わせる事ができる
・しみるなどの症状が出た際にすぐの対応が可能
・歯科医師や歯科衛生士が行う為、ムラになるなどの心配がほぼない
・ホワイトニング前後の色の違いをしっかり確認してもらえる
・事前に虫歯の確認やクリーニングを行うので、口内環境の改善にも繋がる
・自由診療の為、費用がかかる
・使用するホワイトニング剤の濃度が高い為、しみたりなどの症状が人によって出やすい
・事前に虫歯治療や歯石除去が必要な場合があるので、すぐの施術が難しい場合がある
・短期間で効果は出やすいが、ゆっくり白くするホームホワイトニングに比べて後戻りが早い
【ホームホワイトニング】
ホームホワイトニングとは、ご自宅で行えるホワイトニングです。
歯科医院で作製した専用のマウストレーにホワイトニングジェルを注入し、歯に装着することで歯を白くしていきます。
*施術の流れ
①マウストレーの作製
歯科医院にて歯型を取り、患者さんに合わせたマウストレーを作製します。
↓
②ご自宅でホワイトニングジェルの注入
1歯あたり米粒大を目安にジェルを注入します。
↓
③マウストレーの装着
歯磨き後、マウストレーを装着します。
ホワイトニングジェルが溢れ出た場合はすぐに拭き取ります。
薬剤の濃度によって装着時間が異なるので、必ず守ってください。
ホワイトニング後は歯磨きと、マウストレーについたジェルを洗います。
※ホームホワイトニングは2週間を1クールとし、その期間はジェルの塗布を毎日行う事で徐々に白くして行きます。
・自分のペースでいつでもホワイトニングが行うことが出来る
・時間をかけて白くしていくので効果が長持ちする
・オフィスホワイトニングと比べて仕上がりが自然
・オフィスホワイトニングと比べて費用がリーズナブル
・歯科医院への通院が難しい方にも対応することが出来る
・白くなるまでに時間がかかる
・2週間かけてホワイトニングするので、飲食の制限期間がオフィスホワイトニングより長い
・マウストレーのケア、装着時間の管理などを全て自分で行わなくてはならない
・知覚過敏などのトラブルがあった時にすぐ対応するのが難しい
【デュアルホワイトニング】
即効性のあるオフィスホワイトニングと持続性のあるホームホワイトニングを併用する方法です。
それぞれの長所を取り入れ短所を補う事で、ホワイトニング期間の短縮や高い効果をもたらす方法です。
神経のない歯(失活歯)に対して、1 歯のみを白くするホワイトニング法です。
転んだり、ぶつけたりなどの刺激によって歯髄が壊死してしまった歯は、だんだんと暗い色調に変わっていきます。
そのような歯を対象に、薬剤を使って内側から白くしていきます。
健全な歯の場合は、歯の内部まで血液が循環しており、これにより歯質は栄養や瑞々しさを得ています。
ところが、転んだりなどの強い衝撃を受けると、循環していた血液は遮断されてしまいます。
血流が途絶えた歯の内部の細胞たちは壊死してしまいます。
そうすると、色調もだんだんと暗くなってしまうのです。
*施術の流れ
①根管治療
暗くなっている歯は血流が遮断されて壊死した状態になっています。
このまま放置すると、感染症が進行してしまうので根管治療が必要です。
歯の内部を洗浄して綺麗にした後、根管充填を行います。
↓
②ホワイトニング剤を歯の内部に入れる
根管治療の後、ホワイトニング剤を歯の内部に直接入れます。
過ホウ酸ナトリウムと過酸化水素水からできる薬剤を使用します。
↓
③そのまま1週間ほど待つ
だんだん暗い色調が歯の内側から明るくなります。
*ウォーキングブリーチのメリット
・神経が壊死してしまった歯を白くすることが出来る
・被せ物に比べて低コストで審美性の回復が可能
*ウォーキングブリーチの注意点
・暗みが強い場合は目標の白さまで到達しないことがある
・平均2〜3回の施術で目標の明るさまで到達する
・細かい色の調整ができないため、周囲の歯と全く同じ色調にすることは困難
*絶対的禁忌症
・無カタラーゼ症
ホワイトニングには過酸化水素と過酸化尿素を使用します。
健康な方はこれらの薬剤を誤飲してしまっても悪影響はありません。
しかし、無カタラーゼ症の方は薬剤に含まれる成分を分解できず、体内に成分が蓄積して重篤な口腔疾患を引き起こすリスクがあるため、絶対的禁忌です。
・光線アレルギーの方
光線アレルギー(光過敏症)は、健康な方には問題のない光でも赤みやかゆみ、炎症などが起こる病気です。
オフィスホワイトニングでは、歯を白くする為に特殊な光を当てていくので光線アレルギーの方は避けていただきます。
光を使用しないホームホワイトニングは行うことが出来ます。
*相対的禁忌症
・妊娠、授乳中の方
問題が発生したという事例はありませんが、ホワイトニングで使用する薬剤が悪影響を及ぼす可能性は100%ないとは言い切れません。
万全を期すためにも妊娠中や授乳中の方はホワイトニングを控えることをおすすめします。
・知覚過敏がある方
知覚過敏とは、刺激を感じやすい象牙質という組織が露出し、冷たいものや熱いものに触れることで鋭い痛みを感じる症状です。
歯が磨耗していたり欠けがある方は、ホワイトニング剤がしみて、激しい痛みを伴う場合があります。
そのため、普段から知覚過敏のある方はホワイトニングを控えるのをおすすめします。
ただ、濃度が低い薬剤を使用したり、光を当てる時間を短くしたりなどの工夫をして行える場合もあるので「知覚過敏だけどどうしても歯を白くしたい!」という方は一度かかりつけの歯医者に相談してみましょう。
・重度のむし歯や歯周病がある方
むし歯や歯周病が進行している部分に薬剤が触れると、痛みを感じたり、炎症を起こしてしまう可能性があります。
そのため、ホワイトニングを行う前に歯の治療が必要な場合があります。
・18歳未満の方
乳歯や生えたばかりの歯は、薬剤の影響を受ける可能性が考えられるため、18歳未満の患者さんには施術を控えていただくクリニックが多いです。
*ホワイトニングの効果が得られない歯
・歯の修復物(詰め物、被せ物)
・神経のない歯(ウォーキングブリーチのみ対象)
・エナメル質、象牙質形成不全症
・重度なテトラサイクリン歯
●ホワイトニング後の食事
ホワイトニング後の飲食は可能ですが、内容に制限があります。
効果をしっかり保つ為にはその後口にするものがとても大切です。
ホワイトニング後2〜3時間は控えていただきたいもの
【酸性の食品】
・柑橘系食品、飲料 ・炭酸飲料 ・酢を使った食品、飲料
・ヨーグルト ・スポーツドリンク ・アルコール類
ホワイトニング後24〜48時間は控えていただきたいもの
【着色しやすい食品】
・コーヒー ・紅茶 ・赤ワイン ・緑茶 ・ウーロン茶 ・コーラ
・トマトソース ・ビーフシチュー等のブラウンソース
・ケチャップ ・からし ・カレー ・醤油 ・チョコレート
・ブドウ、イチゴ等色が濃い物 ・キムチ ・合成着色料
以上のようなものをホワイトニング後に口に含んでしまった場合は、歯磨きやうがいをして口腔ケアをしてください。
もし上記以外の飲食物で心配な物がある場合は、
・プラスチックのお皿やタッパーなどに着色しやすいか
・白い服についたらシミになるかどうか
この2点で見極めることが出来ます。
ホワイトニング後に適した食品・飲料物
・水 ・乳製品 ・白米 ・ナッツ類 ・はんぺん
・クリームシチュー等のホワイトソース ・パン
・卵料理 ・ハム ・ブロッコリー ・カリフラワー
・レタス ・キャベツ ・大根 ・アスパラガス ・じゃがいも
・ペペロンチーノ ・カルボナーラ ・ラーメン(豚骨、塩、鶏白湯)
・白身魚 ・チキン ・お吸い物 ・りんご ・梨 ・バナナ
*施術によって歯が乾燥する為
ホワイトニングの後は歯の表面が乾燥した状態になります。長時間口を開けることと、ホワイトニングの薬剤が乾燥を招くことが要因となります。
歯の表面が乾燥していると、通常の歯と比較して色々なものを吸収しやすくなります。
*歯の表面の『ペリクル』が剥がれる為
ホワイトニング後は、歯の表面に存在する膜の『ペリクル』が剥がれるため、色素に対して歯が特に敏感になります。
ペリクルには「歯のエナメル質の保護」と「歯の表面全体のコーティング」という2つの役割があります。
ホワイトニングで使用する薬剤によってペリクルが剥がれるので、歯にエナメル質が露出し色の濃い食べ物や飲み物の色素や刺激を受けやすくなります。
ペリクルが完全に回復するまでには約24時間から48時間かかるので、その間飲食物に制限がかかります。
●その他にホワイトニング後に気をつけると良いこと
・ホワイトニング直後は喫煙を控える(特に紙タバコ)
・食事前は水を飲み歯の表面を湿らせておく
・食事中はこまめに水を飲む
・食事後は出来るだけすぐ歯を磨く、もしくは水を飲む
・ホワイトニング30分〜1時間は歯磨きを控え、その後の歯磨きは優しく行う
・口腔内を清潔に保つようにする
・定期的に歯科医院でクリーニングを受ける
ホワイトニング後の食事やケアは、効果を長持ちさせるために非常に重要な要素です。
白くて美しい歯は、肌の透明感や清潔感を高め、よりいっそう笑顔を魅力的に見せてくれます。
目的の白さに近づけるには、丁寧なカウンセリングや施術をしっかり行う歯科医院選びが非常に重要です。
ぜひ、安心できる歯科医院でのホワイトニングで、納得の白い歯を手に入れてください。
ホワイトニングが皆さまの自信や明るい生活のきっかけとなれば幸いです。