〒106-0047 東京都港区南麻布1丁目3−7
プレール麻布仙台坂 1階
インプラントとは、歯を失った部分を補填する治療です。顎骨にチタン製のスクリュー(インプラント体)を留置して維持を持たせてセラミックやジルコニアの被せ物を装着することでしっかりと噛めるようになります。
広い意味では生体に埋め込むものを全てインプラントと呼ぶので、骨折の際のボルトやペースメーカーもインプラントとなります。一般には歯科のインプラントがメディアでも有名となってしまっているので歯科インプラントのことをインプラントと呼ぶことが多いのが現状です。
CTスキャンが普及する以前では、平面的なレントゲンだけを頼りにインプラント手術が行われていた時代がありました。その頃は偶発症が起きることもあり、メディアではインプラント治療の悪い部分だけがフォーカスされてしまい、悪い印象が持たれたインプラント治療ではありました。
しかしながら、時代の変遷とともにCTスキャンを導入する歯科医院も増えていき、今では正確さをサポートする機器が多数あるので安全にインプラント治療が出来るようになりました。正しい手順を踏んで治療を行い、患者さまがしっかりとメインテナンスが出来れば、インプラントは患者様に『しっかりと噛む喜び』を与えてくれるとても将来性のある治療です。
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当院でのインプラント治療
<上:術前 下:術後>
デンタルクリニック麻布仙台坂では、皆さんに安心してインプラント治療を受けていただけるように、スイスのストローマン社の製品を取り揃えております。ストローマン社はインプラント市場で世界シェア1位の会社です。
世界最大規模の臨床研究機関をバックグラウンドとするストローマンはヨーロッパでもアメリカでもシェア1位の信頼できるインプラントメーカーです。
世の中には様々なインプラントがありますが、見た目が似ていても性質は全く違います。ストローマン製のインプラントは臨床家の莫大な治療結果から得られるデータを背景として多くの研究から改良された最新、安全性の高いインプラントです。
インプラントに携わる歯科医師はインプラント関連の学会に所属して、積極的に知識と技術の向上に努めております。
インプラントに関わる質問はどんなことでもお答えします。
我々は事前にCTを撮影して、インプラントの計画を立てます。
インプラントを計画通りに埋入できるか否かによって、インプラントの予後は大きく変化してきます。
そこで『ストローマンガイド』という補助器具を使用してインプラントのオペを行なっております。
このシステムを用いることで、CT上で計画したインプラントの位置を高い精度で実際の手術に再現することが可能になりました。
<ストローマンガイド>
それは同時に、重要な血管や神経を傷付けないことにも繋がるので、医療事故のリスクが非常に少ない安全なシステムとも言えます。
CTを撮影して、インプラントの深さや角度を計画します。
三次元的な位置関係も確認して、ストローマンガイドを作製します。
インプラントのメリットやデメリットも含めて患者さまと十分にお話をします。
注意事項や費用に関してもしっかりご説明いたします。
CTを撮影することで、骨の厚みや注意が必要な血管の位置の把握ができます。
インプラントには十分な骨の高さと厚みが必要です。
「骨が足りないのでインプラントが出来ません」と言われた方は骨造成という方法でインプラント手術が可能になる場合があります。
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現在はショートインプラントという通常より短いインプラントも選択肢としてあるので、歯科医師とご相談ください。
計画に沿ってインプラントを埋入します。
手術時間は30分から2時間程度。手術の大変さによって時間は異なります。
手術の前にクリーニングを行い、専用の薬剤でうがいします。
論文でも、クロルヘキシジンによるうがいはインプラントの成功率を上げる効果があると言われています。最近ではCPCも注目されており、ライオンのハビットプロ(歯科専売)もオススメです。ハビットプロはCPCの効果によって歯周病や虫歯の菌数を減らす効果が高いと言われています。また、トラネキサム酸が含まれているのでインプラントオペの際の傷の治りが良いことが分かっています。
当院でもインプラント手術の前にはハビットプロを使用しており、傷の治りが非常に良い印象を受けています。ただし、効果が非常に強いのであまり頻繁に含嗽することはオススメではなく、1日4回を限度に使用を案内しています。歯科医師の皆様もインプラント手術の前後にはハビットプロの使用を試してみてください。骨造成の際には特に治癒が良い印象を受けました。
インプラントが骨と結合することを待ちます。メーカー発表であれば3週間程度で骨と結合しますが、症例に応じで待機期間は異なります。
*当患者は矯正治療も併せて行なっております。
粘膜の下にあるインプラントを小手術によって粘膜上に見えるようにします。
しっかり噛めるかどうか、仮歯をおすすめしております。
セラミックやジルコニアなどの被せ物を行い、治療終了です。
<上:治療前 下:治療後>
インプラントは噛めるようになったら終わりではありません。
一番大切なことはご自身のセルフケアです。
そして、2,3ヶ月を目処にインプラントを含めたお口全体のメインテナンスが必要になります。
いつまでも快適な食生活が送れますように、歯科医師と歯科衛生士がサポートします。
<患者さまから人気のインプラント関連blog>
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当院は、「ストローマンパートナー」というものに加入しております。全国のストローマン社製品を使用する医院の名簿です。
例えば、お引越しをされる場合、インプラントはメーカーが違うとトラブルがあった時の対応ができない場合があります。
そのような時にインプラントパートナー医院をご紹介することが出来ます。
また、患者様にはインプラント関連の様々な情報をご提供することが出来ます。
ご興味のある方は当院HPのインプラント治療のページ、またはストローマン社のHPをご覧ください。
歯を失った部分を補填する治療を欠損補綴治療といいます。欠損補綴治療には3つの選択肢があります。歯を失った部分をカバーするという対応の仕方という考え方には5つのやり方があります。それぞれの治療のメリット、デメリット、そしてインプラントと比較した特徴をご紹介します。詳しくはこちらのブログもご覧ください。
ブログ:インプラントかブリッジ。他の選択肢は?歯の欠損を補う5つの方法
1.インプラント
チタン製のスクリューを顎骨に埋め込み、咬合を回復させる方法。適切な条件のもとで治療を行うと天然歯と比較しても識別が出来ない水準の被せ物を作ることも出来る。
メリット
・ブリッジと比較して、インプラントは周りの歯を削らなくても良い。
・天然歯と同様にフロスを使うことが出来るのでメインテナンスが容易。
・適切な条件でインプラント治療を行うと天然歯と識別が出来ない水準の被せ物が出来る。
デメリット
・一部の例外(悪性腫瘍後の顎骨再建を行なった場合)を除いて自由診療となり、保険適用ではない。
・骨の幅や高さが不足していると骨造成が必要となる。
・血管や神経の位置が問題となってインプラント治療が出来ない場合もある。
2.ブリッジ
歯を失った部分の両隣の歯に被せ物を作り、橋をかけることによって欠損を補填する治療。
メリット
・外科処置の介入が不要。
・噛み心地は天然歯と近似している。
デメリット
・フロスが通らないので日々のメインテナンスが煩雑となる。
・ブリッジの支柱となる歯が虫歯や破折してしまうと、ブリッジを壊して再治療が必要となることもある。
・保険適用のブリッジは銀歯となる。セラミックやジルコニアのブリッジは保険適用外である。
・天然歯を削る必要がある。
外科処置が受け入れ難い方はブリッジを選択するのが良いかと思います。日々のメインテナンスを考慮するとインプラントの方がシンプルなので外科処置を許容できる方には推奨しています。また、人生100年時代と言われる現代において、寝たきりや誤嚥性肺炎そして歯周病という病気を意識した選択をしなければなりません。
当院ではインプラントかブリッジの選択を迫られる際には、事前の見極めを非常に大切にしています。歯周病に罹患しやすい方やセルフケアがなかなか思わしくない方にはインプラント治療を容易には勧めません。日々のコミュニケーションをしっかり図り、将来の口腔内に起こりうるリスクをご理解頂き、口腔衛生環境の良好な保持にご協力頂けるような関係性が構築出来そうな場合は積極的にインプラントをお勧めしています。
ブリッジも歯周病に罹患すると、支えとなる歯はもちろん感染してしまいます。片方の歯が歯周病に罹患すると、歯の動揺が生じるのでもう片方の歯も病的な揺さぶりを受けるので歯周病に罹患しやすくなります。
3.入れ歯
残存する歯に留め金をかけて維持を持たせることにより咬合を補助する装置。
メリット
・着脱式なので周りの歯を削る必要がない。外科処置が不要。
・保険適用があり、経済的な利点がある。
デメリット
・厚みがあるので異物感が強い。
・天然歯と比較すると噛み心地に異物感が出やすい。
・顎骨が少ない場合や歯が揺れる場合は安定感に欠ける。
食に対する要望が大きなポイントであると思います。しっかりと安定して噛みたい気持ちが強い場合はインプラントを推奨しています。入れ歯での咀嚼では天然歯での咀嚼と比較すると噛み心地に大きな乖離があるので、初めて入れ歯にした方の多くは天然歯との違いにガッカリする方も多いかもしれません。
4.歯牙移植
親知らずなどの咬合に関与しない歯を欠損した部位に移植する方法。
メリット
・比較的安価
・天然歯とほぼ同じ噛み心地
デメリット
・移植した歯が生着しない場合もある。
・長期的な安定という意味では文献上でインプラントやブリッジに劣る。
利用できる歯があれば、インプラントではなく歯牙移植を第一選択肢として考えても良いかと思います。人工の材料を使用するより、やはり天然歯の方が感染に対しても有利となります。ただし、移植歯が生着しない可能性もあるのでその際には感染が起きてしまい、周囲の骨が吸収する可能性があります。そのようになると、次の一手であるインプラントやブリッジの予後に影響が出る場合があります。成功率はインプラントの方が高いので、偶発症のリスクを減らすという意味ではインプラントの方が適切であるのではないでしょうか。
5.歯科矯正
ワイヤーやマウスピースを利用して歯を動かす方法。欠損した部分に周りの歯を移動させて隙間を埋めることが出来る場合があります。
メリット
・治療後に人工の材料が残らないので、虫歯や歯周病のリスクを回避出来る。
・同時に噛み合わせや歯並びを改善することが出来る。
デメリット
・保険適用外であるので比較的高額。
臨床における位置付けとして、インプラントと歯科矯正は相互に補い合う関係性であるので優劣はありません。患者様それぞれの欠損の位置や歯並びを吟味する必要があるので、どちらが適切かを歯科医師とご相談下さい。