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ラミネートベニア

ラミネートベニア

  • 2022年12月23日
  • 2023年2月16日
  • 症例

ラミネートベニアとは

歯の表面に薄いセラミックを接着する審美歯科治療です。厚さ0.4mm程度から作製することが可能であり、歯の位置によっては全く歯を削らずにラミネートベニアを作製することも可能です。主に審美的な要求度の高い前歯で利用される方法であり、歯並びやすきっ歯の改善、古いコンポジットレジンのやりかえ、歯の変色の改善などの目的のために選ばれています。

奥歯においてもテーブルトップという呼び方で歯の上面にラミネートベニアを接着して酸蝕症の方に対する治療や噛み合わせが低くなった方の咬合の改善に用いられています。

今回はラミネートベニアを中心として審美歯科のお話をします。医院情報やその他歯科情報について知りたい方はトップページへお越しください。セラミックとラミネートベニアは違うの?という方はこちらのブログも併せてご覧ください。

 

ラミネートベニアのメリット

1.セラミックを利用して作られるので歯に近似した色調や光沢感、テクスチャー(凸凹など)を表現できる。審美的。
2.プラークが停滞しにくいので、虫歯のリスクが比較的少ない。口臭の対策としても有効。
3.歯を削る量が極めて少ない(0.4mm-0.5mm程度)。症例によっては全く歯を削らなくても良い場合もある。(表面を僅かにだけ削った方が接着の面で有利とする意見もあります)。

 

ラミネートベニアのデメリット

1.歯軋りが強い患者様がラミネートベニアを装着すると欠ける場合がある。
2.保険適応外であるので費用面が比較的高額となる。

 

 

実際に症例を見てみましょう。

 

 

症例1

ラミネートベニアと歯科矯正

 

○患者情報

30代男性

これまでに他院様において複数回の前歯の歯科治療を行なってきたが、色や形が気になるとのことでした。ラミネートベニア治療に興味を持っており、相談のためにご来院されました。

 

 

歯には複数の施術を行なった痕があり、保険の材料(メタルやコンポジットレジン)を使用しているので色の不調和を認めます。

 

前歯2本は前下方に出ており、口を大きく開けて閉じてみると最初に当たってくる早期接触という噛み合わせの乱れがある状況でした。前歯に当たったのちに下顎は後方へと押し込まれるという噛み合わせの状態は顎関節や筋肉に症状が出たり、前歯が揺れるなどの不安な症状が出たりします。このような場合は、前歯に過度な負担がかかってしまい、ラミネートベニアのみならず歯自体の予後が悪くなる場合があるので歯科矯正を提案する場合がございます。今回は、歯科矯正とラミネートベニアを用いて、咬合および審美面の改善を図りました。

 

 

⬆︎治療前⬆︎

 

⬆︎治療後⬆︎

 

咬合が安定すると、ラミネートベニアが破損せずに長持ちします。また、虫歯や歯周病にも罹患しにくい環境になるので歯も長持ちします。

 

大切な歯のために、患者様の将来を見据えた方針をご提案したいと考えています。ラミネートベニアを考えている方は、精密検査を行って包括的に口腔内の状態を把握することはとても大切かと思っています。

 

 

症例2

ラミネートベニアを使用した虫歯治療

 

○患者情報

30代女性

1年ほど前から歯が黒くなっていることが気になるようになったとのことでした。虫歯治療とラミネートベニアに興味を持ってご来院されました。

既往歴:食道癌(手術、放射線治療、化学療法)

 

このように広範に渡る虫歯にはラミネートベニアが有効です。

虫歯になった経緯も理解することに努め、虫歯になりにくい環境を患者さまとともに作りあげる必要があります。

 

 

 

 

 

 

 

ラミネートベニアの治療手順

1.問診、検査

まずは患者様が何を求めて歯科医院に来ているのかを把握する必要があります。ラミネートベニアが綺麗に維持されるには口腔内の衛生環境と咬合の安定が非常に重要なポイントになります。口腔衛生環境が思わしくない場合は、施術後に虫歯になったり、歯周病が重篤化する場合があります。そのようにならないためにセラミック治療の前に歯科衛生士の定期的なクリーニングとセルフケアの徹底が必須条件となります。当院ではPMTCという歯科専用の器具を用いて歯がツルツルで歯周病や虫歯に罹患しにくいクリーニングを提案しています。

また、咬合の安定も非常に大切な条件です。噛む位置がずれてしまう噛み合わせや左右のアンバランスや歯軋りなど噛み合わせの不調和がラミネートベニアのみならず被せ物や天然歯を崩壊へと導きます。咬合が不安定な方は精密検査をご提案して、調和が取れた噛み合わせをご提案する場合があります。

2.ワックスアップの作製

審美歯科というものは良し悪しが非常に主観に左右される分野です。ワックスアップを作製することによってラミネートベニアがどのような形で出来るのかを事前に可視化することが可能です。このステップを挟むことよってイメージ違いというトラブルを未然に防ぐことが可能になります。

3.形成

ワックスアップから逆算をして最小限の量で歯を削ります。歯の位置によっては全く削らずにラミネートベニアを装着することも可能になります。形が整ったらシリコン印象材という精密な材料で型をとり、ラミネートベニアの作製を行います。その日は仮歯を装着してからご帰宅して頂きます。

4.ラミネートベニア装着

出来上がったラミネートベニアを装着します。ラミネートベニアは僅か0.4mm程度の薄いセラミックの歯ですが、歯のエナメル質と非常に強固に接着します。薄ければ取れやすいという認識は実は間違っています。歯を大きく削ると象牙質という層まで到達します。象牙質は無機質が30%程度、有機質が約70%あるので接着には不利になるのです。無機質とセラミックは非常に強固に接着しますが、有機質の含まれる量が多くなると外れやすくなることは研究でも明らかになっています。エナメル質は無機質97%であるのでセラミックの接着と非常に相性が良く、ラミネートベニアが取れにくいという特徴があります。

 

いかがでしょうか。

ラミネートベニアは審美面を改善する非常に有効な方法です。メリットやデメリットを比較検討して、ご検討ください。

 

 

その他の白い歯科材料としては、ダイレクトボンディングクラウン(被せ物のこと、セラミッククラウンやジルコニアクラウンなど)という方法があります。

 

施術の範囲に応じて適材適所という考え方が必要となりますので、歯科医師に相談頂けますと幸いです。

 

 

 

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